シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国へ 評価レビュー

シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国への評価レビュー。前作を体験したからこその感情の発露、意外にBGMが良かった点が印象的。魔術師と獣人の凋落、鳥人とアーチャーの勃興にも注目。

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シャイニングフォース 神々の遺産の続編

シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国へは、SF1の続編で、20年後の世界が舞台になっています。そのため、SF1をクリアしたプレーヤーと、そうでない人で、まるで評価が異なると思います。

そもそも、ゲームギア自体が、かなりのコアなファン層を狙ったハードなので、おそらく、ライトユーザーは度外視する戦略だったのではないでしょうか?

ただし、流石はメガドライブで最も有名なSRPGの外伝という事で、基本に忠実な内容だと思います。

SF1にあったようなフィールド移動はオミットされたものの、戦闘システム等は既に完成形に達している前作のものを流用しているため、特に欠点は見当たりません。

正直、このシステムに本当の意味で必要なものを付け加えるとしたら、フェーダやSF3で導入された必殺技くらいのものでしょう。

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シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国への評価ポイント

SF1のファンには嬉しいポイントが満載

90年代前半の携帯機のゲームという事で、メガドライブに比べると、表現力は乏しいです。しかし、限られた容量で試行錯誤し、SF1のファンならニヤリとできるポイントが満載されています。

SFシリーズのコアなファンなら、数値系の調整でグッとくるポイントが多いです。そんな部分から制作陣の前作とはまた違うシャイニングフォースを楽しんでもらおう、という意欲が伝わってきます。

まず、本作の光の軍勢の初期メンバーには、前作の初期メンバーの子供や親類が多いです。ラグの息子のルース、ハンスの息子のシェイド、ケンの息子のアピス、ディアーネとタオの妹のウェンディ。

さらに、まさかまさかのゴングの甥っ子(笑)シグ。ノーバに代わりロウが軍師として参戦するので、こうなったのでしょう。

このシグが序盤の回復役なのですが、回復役が僧侶ではなく、モンクだとありがたみが半減します。(笑)これも外伝作品だからできる試みではないでしょうか。

それとロウの子供らしき人物は登場しませんが、あれだけ女好きだったのにもかかわらず、いまだに独身?

また、ラグの息子である戦士のルースは、戦士の移動距離が6から5に下方修正されたため、前作とはまるで使い勝手が違います。

逆に、ハンスの息子であるシェイドは本作では最強クラスのキャラで、引っ込み思案だった父とは違い、弓兵なのにもかかわらず、前線でバリバリ戦える能力を持っています。また、成長タイプも晩成のハンスと正反対の早熟&持続型です。

こうなってくると、母親が誰なのか?とても気になります!!SF1やSF2に登場したキャラと比較しても、最強の弓兵だと思います。

3姉妹の末っ子ウェンディは、前作で凄まじい活躍を魅せた早熟かつコストパフォーマーの魔術師タオとは対照的に、魔法習得速度が遅く、かなり役立たずのキャラに成り下がってしまいました。

お転婆という事で、ドラクエ4のアリーナ的ポジションを目指したのか、魔法を使うより、「黒のリング」を装備して殴ってた方が普通に強い(笑)

また、前作では非常に影の薄かったモンクのゴングさんですが、本作からモンクはグラブという専用装備品が登場し、微妙だった攻撃力が補完され、攻撃も回復もこなせる万能キャラになっています。

本作の舞台となるサイプレス勢にもニヤッとさせられるポイントは多く、前作では中途半端な能力でパッとしなかったアモン&バルバロイ夫妻の無念を晴らすかのように、鳥人のバリーが凄まじい活躍をしてくれます。

さらに、前作ではチップ無双なんて言葉が生まれるほど優遇された女僧侶でしたが、本作の女僧侶であるメイフェアは完全に下方修正されてしまいました。

チップに比べて、加入が遅いので、レベル上げがかなり大変です。また、SF1最強と言えば獣人のザッパ様を挙げるファンも多いかと思われますが、彼の煽りか本作の獣人テディは微妙。

弱くはありませんが、やはりザッパありきで獣人を見てしまうので、どうしても見劣りしてしまいます。

このように職業ベースでキャラを前作と比較してみると、弱かった職業が上方修正されたり、強かったキャラが下方修正されたりと、かなりシリーズファンを見据えた調整が行われている事がわかります。

前作をプレイしていない新規のプレーヤーは、ここら辺の感情の発露がないわけですから、そりゃあ評価も違うはずです。

BGMが良い

これは意表を突かれました!!

基本的にメガドライブやスーパーファミコンから携帯機に移行したシリーズの音楽が良くなる事は珍しかったので、驚きましたね。

携帯機に移行して良くなった作品って、パッと思う浮かぶのはSFCのスーパードンキーコング3のアドバンスへの移植くらいです。(これはガチで神音源)

特に、戦闘BGMの「はるかなるたびじ」や仲間加入時や助太刀時に流れる「ビクトリーロード」が好きでした。

これがシャイニングフォースCDでどう変化するかとても気になったので聴いてみたのですが、間違いなく本作の方が良いですね。

CDの方は、CD音源で選択肢が広がったからなのか、音源に遊ばれている印象を受けました。メロディとしては荘厳だったり、壮大なイメージで作られているような感じですが、ちょっと急激に舵を切りすぎましたね。

ドラクエ3の『伝説の旅』のような曲を作ろうとして失敗に終わった感があります。

個人的には、伝説の荘厳さを根底に残しつつ、ポップでリズミカルなアレンジを加えたSF2くらいが丁度よいです。SF2の名曲として知られる「はるかなるたびのよびごえ」との「遥かなる」繋がりにニヤッとしてしまいました。

「はるかなるたびのよびごえ」は、この曲をBGMに始まる。ボルカノン山でのオッドアイとボルカノン神との激闘が思いうかんでしまって、もうダメです…(実際にはそういったシーンはありません)

ビクトリーロードの方は、幻想水滸伝2の「救出」を彷彿とさせ、メシア感が凄い。

シャイニングフォースシリーズ名曲ランキング


作品曲名流れる場面曲系統系統最高峰
1SF2光の伝説フィールド①荘厳系
②希望系
軍歌系
①アクトレイザー『フィルモア』
②パワプロ11『通常:全日本選抜 予選(サクセス)』
①②スパロボα『この星の明日のために』
①②マリオギャラクシー『パープルコメット』
2SF2はるかなるたびのよびごえビドー国ボルカノン山①勇猛系
②荘厳系
軍歌系
①②スマブラ64『ハイラル城ステージ』
②ご近所冒険隊『裏山(前半部)』
3外伝1はるかなるたびじ戦闘せつな系FE聖戦の系譜『第2章(アグストリアの動乱)』
ラングリッサー『サウンドセレクト8』
4SF1メインテーマ~はるかなる時の旅人エンディング(スタッフロール)せつな系サルゲッチュ『ラストバトル』
ドラクエ1・2『この道わが旅』
5SF2戦え 古えの光とともに転職後の個別戦闘画面勇猛系キングサーモン『Hit!』
第二次スパロボα『発進!!』
6SF1聖戦バトルBGM(VSコロッサスなど)荘厳系幻想水滸伝『光のない戦場』
7SF1本陣のテーマ本陣①なごみ系
軍歌系
①幻想水滸伝2『なごみの時間』
①FF8『Balamb GARDEN』
8SF1好敵手VSミシェエラドールなどバトル系『FF4(バトル2)』
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シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国への気になる点

キャラ毎の個性をもっと出してほしい

シャイニングシリーズのファンとしては、これは残念でした。

キャラクター事のグラフィックの違いはありますが、本陣機能が簡素化され、GGの容量の限界か?台詞も最小限にとどめられているので、キャラの個性というか、性格があまりわかりません。

特に、せっかくSF1の光の軍勢の子供たちが登場しているのにもかかわらず、ほとんどエピソードが掘り下げられないのは残念です。

そんな意味じゃ、プレーヤーの側にある程度の予備知識と想像力が求められる作品と言えるでしょう。

剣系の武器不足

シャイニングフォースでは、代々、主人公が強力な武器を手に入れる場面があります。SF1の「光の剣」やカオスブレイカー、SF2のフォースブレードなどが該当します。

本作では、それが「破邪の剣」にあたりますが、入手する時期は最終戦闘という事で、ほとんどありがたみがありません。

また、「必殺の剣」という強力な武器が比較的早期に入手可能ですが、これはバードラーのバリーに装備させた方が圧倒的に強いです。

そのため、最終面まで主人公の最強武器がブロードソード(笑)という悲惨な状況は普通にありえます。

そこで思ったのが、「暗黒の剣」が登場したのだから、「光の剣」も一緒に出せばよかったというものです。ちなみに、外伝2では「光の剣」が入手可能。

さらに、「必殺の剣」がもう一本手に入ったり、「菊一文字」が登場しないのも痛いですよね。

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シャイニングフォース外伝 遠征・邪神の国へ【総評】

シャイニングフォース外伝 遠征・邪心の国へは、長らく食わず嫌いしていた事実があります。

GG系のシャイニングシリーズは、ファイナルコンフリクトのみプレイしていました。しかし、今年GGミニが発売されるという事で、一念発起したのです。

実際やってみた素直な感想としては、シャイニングシリーズファンなら普通に楽しめるという感じでした。BGMが意外に良かったりと、良い意味での驚きを体験できたのも嬉しいところです。