ALIS(アリス) 詳細と将来性 仮想通貨

ALISは、「Steem(スチーム)」の日本版ということで、ライターとしては気になるところですよね。展開の仕方によっては、私の活動にも何らかの影響を与える可能性があるかもしれません。

また、これからの日本人が世界と渡り合うために必要だと考える「評価能力」にも関係するプロジェクトなので、調べてみたいと思いました。

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ALISとは?

ALISを知るなら、Steemを知るが手っ取り早いです。なぜなら誕生のきっかけは、SteemのプロジェクトにALISの運営陣が感銘を受けたからです。

Steemとは?

面倒な仕組みを取っ払って、端的に説明すると、ブロックチェーン上にSNSのプラットフォームを構築するシステムのようですね。従来までのブログ、ワードプレスやフェイスブック、ツイッターのようなCMSの仮想通貨Verといったところでしょうか?

ブロックチェーン上にSNSを構築することで、分散管理による恒久的なコンテンツの維持、及び管理コストの軽減を達成できます。ここら辺のメリットは、ALISも共通だと考えてよさそうです。

Steemは既に、「Steemit」というSNSをβ版で提供していて、確認してみると日本語の記事もチラホラ見受けられました。ちなみに、海外のサービスです。

ALISとSteemの違い

利用するユーザー側から見れば、ALISもSteemも、ブロックチェーン上にSNSを構築するシステムに違いはありません。

ターゲットが日本人

日本人としては、これは大きいですよね。数少ない私のような精神まで生粋の日本人(笑)ならサイトが英語表記な時点で、やる気が失せます。運営陣も日本人が中心のようで、日本のマーケットを狙っているようです。

トークンを一本化

Steemには、「SP」、「SMD」、「STEEM」という3種類のトークンが存在して、解説サイトを見た時点で、頭が痛くなるようでした。しかし、ALISではトークンを一本化するようで、個人的には、わかりやすくて良いですね。

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ALISの仕組み

私たちライターがALISで記事を書くと、どんなメリットがあるのかを中心に、仕組みを確認してみます。

作成者と評価者の双方に報酬が発生

ユーチューブの投稿者と視聴者の関係に似ていますね。ユーチューブでは、「高評価」or「低評価」をした視聴者には報酬は発生しませんが、ALISでは評価者も評価される仕組みのようです。

ホワイトペーパーによると品質の高いコンテンツを維持するためには、質の高い記事の継続的な投稿に加えて、その記事を探し出す存在が重要であると書かれています。

質の高い記事を評価した最初の一人もしくは、上位何人かに報酬の分配が行われるようなシステムになるのでしょうか?

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ALISの気になる点

余計な広告が発生しない

ALISでは、コンテンツが評価されると、トークンで報酬を貰えます。そのため、従来までのSNSのように広告が発生しません。ALISを調べるのに、いくつかのWebサイトを参考にしましたが、「広告が多い=質が低い」と定義しているような人が多かったですね。

しかし、その安易な決めつけこそが、質の低い記事をネットに蔓延させる現状を生み出しているのではないでしょうか。

確かに、広告はウザいものですが、広告の数とコンテンツの質を安易に結びつけているようなユーザーが大体数を占める限り、いくらALISのシステムが優れていても、いずれ既存コンテンツと同様の結果になるでしょう。

真の評価のための最低基準とは、先入観の払拭なので、ALISを支持してアフィリエイトをしているユーザーを見る限り、まだまだ安易に成長を予測できませんね。

評価する者が数的優位に立てる

ALISでは、記事を評価する人にもメリットがあります。それは、従来までのSNSのような単なる優越感(共感ボタン)ではなく、トークンによる報酬という、より具体的なかたちです。

おそらく、SNSという性質上、評価者の評価というのは、ユーザーからの支持数(値)によって決まるはずです。これは、評価者がSNS内で数的優位に立つことでもあります。

これを既存コンテンツに例えると、インフルエンサーのフォロワー数を暴力にした発言が挙げられます。「この人が評価したから評価する」、「この人が見たから見てみよう」。これでは、結局、既存コンテンツと同様ではないでしょうか。

個人的には、ALIS外での地位や権力をどう考えるのかも知りたいですね。それを全て持ち込みOKにしてしまうと、上で触れたような、数的優位を利用した数の暴力による問題が発生しそうです。

しかしながら、専門性の高い記事を書く上で、ある程度のステータスは必要かと思われるので、全くゼロというわけにもいかないでしょう。

評価と報酬で承認欲求を満たす

これは、かなりの懸念事項だと思います。既存のコンテンツに、なぜ広告が蔓延しているか?それは、金銭欲からですよね。ALISのシステムは、既存のコンテンツ作成者の広告代理業という手間を取り払っただけです。

最終目標は、結局、お金を手に入れることには何ら変わりありません。お金が絡んだ時の人の動きは、集団で見れば、ほぼ一定で、利益率の良い方に動きます。例えば、各ジャンルに10点満点の評価基準があったとしましょう。

Aジャンルの6点とBジャンルの6点が、同じ利益を生み出すわけがなく、結局、利益率の高いジャンルに人が集まってしまうんです。ALISは、第1フェーズとして、専門性の高い記事の蓄積を目指していますが、ジャンル間による人気の差をどう対策するのかも気になりますね。

また、ジャンルとはいいましたが、仮想通貨のような大きなジャンルではなく、もっと細分化されたジャンルにおける人気差の対策が必要だと思います。

コンテンツ確保にトークンを使う

運営によると初期フェーズは、安定期に比べ、報酬の割合を多くするようです。つまり、トークンをカンフル剤にして、急拡大を狙っていくようです。私に言わせると、この考え方がそもそもの間違いで、本当に質を突き詰めたいなら、専門家を集めて、コツコツ進めていくべきです。

第1フェーズにおける専門性の高い記事の蓄積のおいて、ジャンルは仮想通貨やアニメ、漫画などが挙げられています。ネットに質の低い仮想通貨の記事が蔓延しているのがジャンルを選定した理由のひとつのようです。

そう思うならば、不特定多数を対象にして記事を集めるのではなく、ICOで集めた資金を利用して、国内外の仮想通貨のスペシャリストに記事を買いてもらった方がよっぽど良いコンテンツ群が完成するでしょう。

また、アニメや漫画も同様で、金より質で、同人活動をしている連中やプロのクリエイターに報酬を支払って、記事を作成した方がよいはずです。

群衆の英知は専門分野には弱い

仮想通貨のAugur(オーガー)が話題になってから、仮想通貨界隈で、「群衆の英知」という言葉が流行りました。Augurは、ギャンブル、ゆくゆくは保険などにも、システムを活用したいと考えているようです。

保険の判定にAugurの仕組みを利用するのは、まさにピッタリだと思います。群衆の英知は、一般的な物事の判定をする上では、非常に優れていると思います。

保険の判定とは、モラルの判定、一般常識、社会通念の判定に通ずる部分かと思います。日本の中高年世代以前は、忖度(そんたく)という言葉が話題になったことからもわかるように、暗黙の了解を探るのに長けています。

実は、Augurはそんな日本人の国民性に非常にマッチする仕組みなのではないかとも思ったりします。Yahooコメントや知恵袋で小気味よく説法をしている高尚な方々を見ているとわかります(笑)。法律がかなりの障壁になるようではありますが…

しかし、この群衆の英知という代物は、専門分野の評価には弱いです。一流の医者の専攻分野に、医学に触れたこともないような1万人の一般人が知恵を出しても絶対に勝てないのと同じです。仮に、その1万人の中に天才が1人混じっていたら、それはもはや群衆の英知とは呼べないのです。

専門分野の評価とは、各分野のスペシャリストが、それぞれ最低1名から数名いれば十分で、そこに専門外の人間が入っても、ノイズになるだけです。

さらに、もうひとつ群衆の英知の欠点を挙げると、左翼もしくは、ソレに洗脳された人物による、人心掌握、人民統制の圧力がかかりやすい点です。ALISが有名になればなるほど、この圧力との摩擦が生じるはずです。

評価できる者の発掘が急務

ALISが真の意味で、人々の役に立つコンテンツを作りたいなら、評価できる人の発掘が急務だと思います。そもそも、真の評価を理解しなければ、スマートコントラクトにそれを反映させることもできません。もちろん、ユーザーではなく、中の人という意味での「評価できる者」です。

比較的、参入しやすい分野ではないか?

今後、Dapps(ダップス)やスマートコントラクトは、間違いなく進歩すると思います。そうなれば、より洗練されパッケージ化されるのは必然です。

また、より簡単にこれらの技術を使えるようになれば、ALISの構想というのは、各企業にとってお手頃なジャンルではないでしょうか?かつて既存のSNSが乱立された道を分散型SNSが、たどっても何ら不思議ではありません。

まぁ、どこまで先行利益者として、アドバンテージを獲得できるかにもよるでしょうが、mixiという例もありますからね。SNSの王者も、いまや単なるゲーム会社です。

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ALISへの期待や将来性

おそらく、既存コンテンツよりも、質の高い記事を確保する、という「真の目的のようなもの???」は達成できないでしょう。しかし、人というものは、必ずしも質の高いコンテンツ集まるわけではありません。

ましてや、真の意味での評価とは縁遠い現代人にとって、真の意味での質なんてものは、無用の長物なのかもしれません。

ネガティブな意見が多くなってしまいましたが、実はALISに期待する部分も多いです。注目したいのが、プロジェクトの第3フェーズである「蓄積された人の信頼情報をもとに、新たなサービスを展開する」です。

信頼情報は、額面通り受け取れば「人財発掘」なのでしょうが、深読みすれば「ビッグデータの蓄積及び活用」とも受け取れます。

考えてみれば、検索エンジン、SNSも情報力であることがわかります。その情報力に弱いのが昨今の日本なので、フェイスブックに対抗できるような情報力を持ったコンテンツに育ってほしいですね。

というのも、資本主義主導のグローバリズムにおいて日本が優位に立ち回るためには、武器が少なすぎると思います。

個人的には、「超高性能翻訳システム」、「スマホOS」、「検索エンジン」、「SNS」あたりに純国産かつ成熟したコンテンツが欲しいと思っているのですが、ALISが本物ならば検索エンジンやSNSで、突破口を見出せるかもしれません。

投機的な側面でも

日本の市場をターゲットにしているそうなので、当然、国内取引所への上場を目指しているのではないでしょうか。これは、目先の材料としては魅力的です。ホワイトリスト入りとなれば、Liskのビットフライヤー上場を見込んだ時のような動きをする可能性もあるわけですからね。

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ALISのクローズドβ版

ALISの公式サイトから現在進行しているクローズドβ版にアクセスできます。案の定、既存SNSと何ら変わりないような状況になっています。記事の品質以前の問題で、記事というよりかは、ツイッターのつぶやきに近い状態の投稿が多いですね。

「ジャポニカにやってろ!!」と全力でツッコミたくなるような、お絵かき帳か何かと勘違いしているユーザーもいるようで、微笑ましいです。

まぁ、クラウドソーシングも黎明期は、「りんご」や「みかん」について600文字で書いてください。なんて依頼があったくらいなんで、こんなもんなんですかね(笑)。