網膜剥離とぶどう膜炎 体験談

私の中には、ライターをするなら注意したい病気がいくつかあって、その中のひとつが眼病です。そして、網膜剥離や「ぶどう膜炎」は、眼病でも、比較的、重い症状の病気だといえるでしょう。

私は、網膜剥離の体験はしたことがないのですが、2014年の年末にぶどう膜炎を患いました。その時の症状が、あまりにも網膜剥離にそっくりだったので、それはもう恐怖したことを覚えています。

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網膜剥離?病名発覚までの経過

2014年は、ライター活動を最も集中的に行っていた時期です。1文字0.4~0.5円600文字の案件を1日に150件くらいやって、4万円以上を稼いだこともあります。キーボードをある程度の期間使っていると、表面のインクが剥げるのは珍しくありませんよね。

しかし、私の場合、たった数カ月で、インク剥げだけではなく、主要キーが指の圧力でへこむまでになりました。今、写真を見返しても、常軌を逸していた感じで、同じことをもう一度やれといわれても絶対に無理ですね。

一年の疲れは年末にやってくる

割とよく聞く言葉ですが、2014年の経験で、「あぁ、コレ本当なんだ!!」と、しみじみ思いましたね。眼に違和感を覚え始めたのが12月20日あたりで、最初は首を横に振ると、目が軽く引っ張られるような感じでした。しかし、痛みは、全くありません。

程なくして、首を横に振ると、引っ張られるような感覚と共に、目の前に閃光が走るようになります。これは、体験した人しか絶対にわからないと思いますが、カメラのフラッシュを目の前でたかれた感覚です。

目をつぶっていても、目を開けていても、首を動かして眼球が移動するたびに、ピカピカ光ってました。そして、この症状は「光視症」といって、まさに網膜剥離の初期症状なんですよね。

光視症

光視症が発生したからといって必ずしも網膜剥離ではなく、事実、私も違いました。一般的には、後部硝子体が網膜から剥離する際の刺激を光として感じるようです。硝子体の主成分は、水の他に、ヒアルロン酸やコラーゲンといった成分も含まれるらしく、本来であればゼリー状です。

しかし、加齢によって液化する可能性もあるようで、液化の過程において、いずれ網膜から硝子体が剥がれます。光りの感じ方には個人差があるようで、長い人で、症状が数年にも及ぶこともあるようです。

また、後部硝子体剥離が何事もなく終わればよいのですが、網膜の強度や癒着の度合いによっては、網膜に裂孔が生じる場合があります。特に糖尿病など血管が劣化してしまう病を患っている人は注意が必要です。

飛蚊症と霧視

光視症の発生からも、普通の眼精疲労ではないことがわかり、ネットの検索で網膜剥離の可能性が高いこともすぐにわかりました。なぜなら、光視症に加えて、飛蚊症と霧視も発生していたからで、これは光視症の数日後から急激に酷くなりました。

私は、子供頃より近視で、現在では強度近視といってもよいくらいでしょう。そのため、多少の飛蚊症は経験しています。強度の近視の方は、大体が飛蚊症を体験しているはずで、文字どおり、目の前に透明な蚊やホコリ、アメーバのような物体が見える症状です。

そして、とにかく酷かったのが霧視です。霧視=かすみ目なんて表現されることがありますが、そんなレベルの症状ではありません。白濁したプールやお風呂の中にいるような感じで、最終的に視界も相当悪くなりました。

私の場合は、全体的にというよりかは、視界の両端の濁り具合が酷く、真正面を見ると、両端の視界は数メートル程度くらいしかなかったと思います。この霧視がとにかく怖くて、失明も頭をよぎりましたからね。

ただし、これらの症状から、網膜関連の眼病の中でも、かなり重い「黄班変性」ではなさそうなのが予測できたのは、せめてもの救いでした。それと、霧視を体験してみて、白内障の方の視界の悪さが相当なレベルだということもわかりましたね。

丁度、時期は冬で、私の住んでいる地域は北海道なので、雪も積もっています。そうすると、日中、日の光が雪道に乱反射して、ほぼ完全に視界を失います。私は片方だけだったので問題ありませんでしたが、白内障を患ったお年寄りを見る目が180度変わりましたね。

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知りすぎる恐怖

情報化社会の歪な副産物とでもいいましょうか、知りすぎる恐怖には、かなりやられました。私は完全に網膜剥離だと思い込んでいたので、その線からネット検索をしまくっていたのですが、検索すればするほど、通院への足取りは重くなります。

12月25日は、病状がピークに達していた段階なので、年末に病院に駆け込むことも可能でした。しかし、最終的に通院したのは、三が日が明けてからです。このクリスマスから、年が明けるくらいまでが、ほんとに恐怖でした。

ネットにたくさんある網膜剥離の体験談を読み漁っては、ドン落ちする、の繰り返しで、上位表示される体験談は、ほとんど最初から最後まで読破したかと思います。

何か、「ネット情報」と「病状」と「思考能力(確証バイアス)」との三つ巴の戦いが脳内で繰り広げられていて、とにかく多角的な観点から、網膜剥離という病気を検証していました。

終わってみると、非常に頭の悪い行為をしていた、と反省する部分なんですが、盲目剥離も「ぶどう膜炎」も症状が進行する病気なので、異常を感じたら、大人しく通院すべきです。

例えば、ぶどう膜炎には「桐沢型ぶどう膜炎」という劇症型の症状もあります。急性網膜壊死とも呼ばれ、発症からいかに早く適切な治療を受けられたかが予後を大きく左右します。私がこのタイプのぶどう膜炎だった場合、間違いなくヤバかったです。

ただし、劇症型の症状なんで、そもそも悠長に数日もネット検索している時点で違うんですけどね。このように、情報の間違った捉え方をしてしまう点もネットの怖いところですよね。

こんな時って、ついつい「桐沢型じゃないから大丈夫」って、情報の捉え方をしてしまうんです。

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言い訳

私がココまで通院が遅れた理由には色々あって、まず年末というタイミングがいやらしかった。2014年は、本当にライティング漬けの1年で、平均すると通年で、1日4時間くらいやってましたからね。

普通に社会に出て働いている方に笑われてしまいそうなのですが、それまでは1日平均で、1~2時間程度しかライティングをしていませんでした。ライティングの仕事は、量を増やすのにも、減らすにも、いきなりというわけにはいかないんです。

年末の段階で、仕事を全て放り投げてしまう選択肢もありましたが、それをやると翌年の仕事をゼロから始めなければなりません。せっかく、軌道に乗ってきた時期なのに、という気持ちもあって、できることなら年末から翌年の1月、2月に上手く繋げていきたかったです。

また、体験談を読み漁ってわかったのですが、通院する病院によって、手術の痛み、術後の痛み、術式、予後にかなりの違いがあることがわかったんですね。そのため、私としては、通院する病院は精査したいというのがありました。一時は、100万、200万飛ぶのを覚悟で、神奈川や東京の病院への遠征を考えたくらいでした。

私の場合、こうした病気の治療を考える際に、最も重要なのが痛みです。そんな私にとって、バックリング手術という術式は、あまりにも恐怖が大きすぎました。今になって思いますが、バックリング手術の体験談は、見ない方が良かったと思ってます。

網膜剥離の術式は、大きく分けて、「強膜バックリング手術」と「網膜硝子体手術」の2種類になるようです。調べてみたところ、一昔前まではバックリング手術が主流でしたが、最近は技術の進歩で、硝子体手術の精度も高まっているというイメージでした。

バックリング手術の体験談には、まず「痛かった」という体験談が多かったですし、その方法が原始的過ぎて、震えあがってしまいました。しかし、硝子体手術は、バックリング手術とは違い、眼球にメスを入れる方法です。

眼球に小さな切れ目を入れ、眼球内に直接アプローチします。そのため、術者に高い技術が求められますし、病院の機器によっても精度は違います。手術中だけとはいえ、眼球内に異物を入れる方法なので、リスクも高いです。

このように硝子体手術は非常に難度の高い手術であることがわかったため、これも「より病院を精査したい」という気持ちに拍車をかけました。しかし、本来、バックリングか硝子体かは、医師が決めることであって、症状によって向き不向きがあります。

硝子体手術は、どちらかといえば、視力を低下させる原因が硝子体の場合、それを取り除くために行うものです。ただ、この時の私は、万が一の際には、絶対に硝子体手術をすると勝手に決め込んでいましたね。

それと、ネットの情報を調べ尽した年明けには、もしかすると網膜剥離ではない?なんて結論も考えるようになっていました。体験談を読む限り、確かに網膜剥離にも霧視の症状を覚える人がいました。

しかし、網膜剥離によって霧視が発生した人の体験談は、自然剥離ではなく、衝撃などの外的要因による剥離が原因だったケースが多いようでした。その際に眼底出血が発生して、それが濁り(霧視)に繋がります。

そのパターンで霧視を体験した人は、症状の前後に目の前に「黒い滝が流れた」というような表現を使っていることが多かったです。この黒とは、血の赤の事なんですよね。また、濁りも私のように白濁というよりかは、暗く濁るという表現の人が多かったです。

さらに、25日くらいから症状も素人目線での小康状態を続けていた感じなので、視野欠損=ドクターストップという予防線を張っていました。それからは、半日毎にネットの視野チェックをしてましたね。ちなみに、この時、初めて人間に盲点があることを知りました。

しかし、盲点を知ったら知ったで、本来、人間の盲点とはどこからどこまでが正常なのかが気になって、生物の盲点の検索にまで派生してましたからね。

網膜剥離は軽度ならレーザー治療もある

私のように視野欠損=ドクターストップという予防線張りは、絶対におすすめしません。視野欠損が発生してるということは、網膜が剥がれているということなので、その範囲が広ければ広いほど、予後が悪くなります。

また、網膜裂孔のみで剥離していない状態なら、レーザーで周囲をリベット打ちするようなイメージで焼き固めることで、進行を止められる可能性があります。治療後も楽観視はできませんが、中には、この治療でずいぶん長いこと、進行を止めた人もいるようです。

網膜裂孔の状態を放置しておくと、裂孔部から硝子体の水分が外に出てしまい、硝子体と網膜の間に水分が入ることで、どんどん剥離が進んでいきます。これを考えると、視野欠損が発生するまでに、通院して措置することがいかに大切かがわかります。

近視の人は網膜剥離になりやすい

もしかすると網膜剥離じゃないかも。という淡い期待を抱いていたものの、近視の人は網膜剥離になりやすいという知識があって、不安感を拭いきれませんでした。

近視は、強度になればなるほど、眼球が丸に近い球体から楕円形になっていきます。眼球が楕円形になってくると、網膜が圧迫され、硝子体と網膜の癒着が強くなる場合があるようです。

この状態で後部硝子体剥離が発生すると、網膜を剥がしてしまうというイメージでしょうか?また、近視の人は、硝子体の液化が進みやすいようです。2014年の時点で、私は20代後半でしたが、このくらいの年齢から液化が進む可能性もあるようでした。

ロービジョン生活を調べ始めたあたりで通院

ネットを調べて、打ちのめされて、を続けていくと、精神に耐性のようなものができるんですよね。通院、直前の私は、別の意味の覚悟もできていて、最悪ロービジョン生活まで視野に入れていました。

それと、あれだけ怖かったバックリング手術とレーザー治療も、「もう、なんぼでもやってくれ」と、半ば自暴自棄になっていましたね。あと、年末に放送されていた、長嶋名誉監督の闘病記を食い入るように観てましたね。

こんな心境の時って、病気と闘っている人の姿が、妙に頼もしく思えちゃって、長嶋さんは脳梗塞だったんですけどね。しかし、脳梗塞による麻痺に対して、すぐさま闘って勝ってやろうと思う思考回路は凄すぎますよね。

長嶋さんの凄いところは、「あの人なら本当にそう思ったんだろうな」って納得できちゃうところで、まさに生ける伝説ですね。それと、長嶋さんみたいなタイプの選手に対して、落合博満があそこまで敬意を表すのは凄いと思ってます。

並の選手に対してなら間違いなくボロクソ言ってるでしょう。国民栄誉賞の受賞者には首をかしげたくなる人物もいますが、彼は間違いなく、真の受賞者だと思います。

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ぶどう膜炎

こうして色々と考えている間に年は明け、三が日は過ぎていきました。実家から戻り、早速、目星をつけていた病院へ通院することになりました。先生に症状を説明したところ、「一番怖いのは網膜剥離」と、やはり網膜剥離の線から検査しているようでした。

そして、先生から告げられた病状が、「ぶどう膜炎」だったのです。網膜剥離を調べる過程で、ぶどう膜炎の症状も知っていたので、それほど驚きはしませんでした。

というよりも、少なくとも本日レーザー治療やバックリング手術をやられる心配はないとわかり、内心めちゃくちゃホッとしてました。あの時の感情の起伏は、ほんと笑っちゃうくらいで、ドン落ち状態から、いっきに気力が溢れてきましたからね。

待合室でも看護師さんが私のことを妙な顔で見てたんですけど、多分、相当落ち込んで生気がなかったんでしょうね。しかし、ぶどう膜炎の診断で頭によぎったのは、予後ではなく、「テノン嚢(のう)下注射」です。

事前に情報を調べまくっていたので、ステロイド治療になることはわかっていましたし、ぶどう膜炎でステロイドパルス療法をしていた人の体験談も読みました。

通常は、ステロイド含有の目薬で対応するのですが、症状が改善しない場合は、テノン嚢下注射という注射を眼に直接打つ場合もあるようです。この眼に直接注射というのが物凄いショッキングだったので、コレをされるんじゃないかと怯えてましたね。

しかし、医師の診断でも、やはり小康状態だったようですし、案の定、ステロイド含有の目薬での治療になりました。ちなみに、リンデロンという目薬なのですが、ステロイド0.1%のものでした。

ただ、体験談によるとテノン嚢下注射は、思っている以上に痛くないようです。正確には眼球ではなく、テノン嚢と呼ばれる、眼球を保護する強膜よりも、さらに表層に近い部分に薬剤を注入する方法みたいですね。でも、やられるとなるとめっちゃ怖いですよね。

私のぶどう膜炎

ぶどう膜炎と一言でいっても、そうなるまでの経緯は、人によってまるで違います。私の症状で、特に印象的だったのが霧視です。硝子体が白濁したからこそ、白く濁ったプールに入っているような感じだったのです。

ぶどう膜炎を併発する病気として有名なのが「サルコイドーシス」、「原田病」、「ベーチェット病」です。EXILEのパフォーマーであるMATSUさんがベーチェット病なのは有名ですが、彼の視力に関して言及されることも多いです。

その視力低下を招いているのが「ぶどう膜炎」でもあります。このように難治性の全身疾患のいち症状として現れる場合も多いので、後で調べてみてわかったのですが、相当怖い病気なんですよね。

しかし、先生いわく「ぶどう膜炎」のほとんどが原因不明で終わることが多いようです。私も原因不明のぶどう膜炎でした。私の場合は、1月から半年くらいリンデロンによる点眼治療で、治療は終わりましたね。

1ヶ月も経たないうちに霧視は晴れてきましたが、そこから5ヶ月くらい治療が続きました。ステロイド治療は、ココが厄介で、素人判断で通院をやめたり、薬の量を調整したりすると、かなり危ないようです。

眼底検査

病院での治療は、ほとんどが経過観察のような感じで、眼底検査がメインでしたね。私は、強度の近視なので、眼科でコンタクトレンズを購入する際に、何度か眼底検査の誘いを受けてました。

しかし、ここでも痛そうという理由で、頑なに検査を拒んでいました。でも、実際に眼底検査をしてみて、この検査は本当に全く痛くありません。ただ、瞳孔を目薬で強制的に開いた状態にするので、検査後数時間くらいは、めちゃくちゃまぶしいです。

日中は、まぶしくて、外だとまず目を開けていられないでしょう。車の運転をしたらほぼ事故ります。そのため、サングラスを持参する人なんかもいるみたいですね。

眼底検査をすれば網膜の状態を観察できるので、近視気味の人は、定期健診でしっかりとやった方がよいですね。個人的には、歯医者での歯石取りよりも、ずっと精神的負担が少ないです。

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原因は何だったのか?

個人的には、1年の疲れが年末に押し寄せてきたと思っているんですけど、ぶどう膜炎は疲れとはあまり関係ないとの見解もあるようです。

しかし、フルバースト状態で、1日15時間ぶっ続けで、ライティングした人なんて、かなり少数だと思いますし、やっぱり身体の酷使が原因なんじゃないかとも思うんですよね。

霧視の原因は、ぶどう膜の炎症に対して、白血球が反応したものだと思うので、いったら白血球の死骸ですね。ステロイド治療というのは、免疫異常に対しても行われます。

身体が正常な状態にもかかわらず、免疫反応が強く出てしまう場合、免疫抑制のためにステロイドを用います。そのため、この場合、根本的な治療をするためにステロイドを用いるのではなく、あくまでも対症療法なんですよね。

ぶどう膜炎の原因が身体の疲れではない場合、ひとつ思い当たる節があって、それが年末にした水槽掃除の際に、汚水が眼に入ってしまったんです。調べてみると、黄色ブドウ球菌などが原因で、眼内炎が発生する可能性があるとあります。

しかし、結膜炎ならわかるのですが、眼球に付着した汚水が、いきなりぶどう膜の炎症を起こすってのもおかしい話ですよね。また、眼内炎は、痛みなどの強い症状が出ることが多いようで、私の症状とは相違点が多かったです。

後遺症と今後の抱負

まず後遺症なんですけど、霧視と光視症は綺麗さっぱり消え去りました。しかし、飛蚊症だけは、発症前に比べ、やっぱり多いですね。人によっては、一生残っていくようですね。

数年かけて減少していくこともあるようですが、私の場合は、元々近視が原因の飛蚊症があったので、これ以上悪化しなければ、別に気にしていません。ちなみに、現在、3年以上経っていますが、通院が終わった2015年6月くらいの状況と、ほとんど変わっていませんね。

実は、2015年もライティングの仕事にかなり取り組んでいて、新たにモンスターストライクと元々やっていたモンスタパレードをプレイしてしまいました。さらに、2016年からはモンスト熱が本格化しまして、むしろ、2014年よりも酷使してしまったかもしれません。

しかし、2017年くらいからは憑き物も落ちた感じで、2018年には、まだまだ学ぶことはありますが、かなり健康に気を遣うようになりました。私は、視力と歯に関しては、人生における大切な財産を早々に失ったと思っています。

特に眼は代替できない機能のため、眼を酷使しがちなライターという仕事をやっているなら、十分に注意する必要があるのではないでしょうか。