七原くん ニコ生主 プロリスナーをうならせる天災児

私は、一般人によるネット配信が好きで、会社を辞めた2008年くらいから、ちょくちょく視聴しています。現代における個人配信は、ニコニコ動画の黎明期にあった、日記タグの派生形なのではないかと思っていて、専ら雑談系?素人系?見世物小屋系?のようなジャンルが大好きです。

動画配信サイトは、たくさんありますが、私にとってのスタートとなったニコ動は、やっぱり思い入れが強いですね。ユーチューブといってもヒカキンさんが、ユーチューバーなんて言葉を広めたのは、ずっと後になってからのことですしね。

まず、最初に私の配信者に対しての見解について触れておくと、多分、めちゃくちゃ厳しい目線だと思います。プロリスナーを自負していて、「楽しければいいじゃん」なんて、一切許さない、固定観念の塊です。配信者は、視聴者に質の高いコンテンツを提供するのが当然と考えています。

そんな固定観念がニコ生に蔓延る「友達倶楽部」、「学校のホームルーム」的なノリを許せず、一線を退いていました(笑)。というのも、ネット配信という意味で、私はとても良い時代に参戦しています。

Peercastの二大巨頭「永井」、「佐々木」の時代といえば、ピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この時代は、お二人の活躍により、ネット配信の黎明期と全盛期が同時にやってきたような時代で、後の利益ありきのネット配信は、オマケにしか過ぎません。

この二人に追随する配信者は、二度と現れないと思っていた矢先に、彗星の如く現れたのが「七原くん」というわけです。

「怪物」、「プリンス」、「ニコ生最後の希望」、「天才」、「七原以前」などなどの形容を受ける彼ですが、それらの言葉には、リスナーたちからの期待感や切実な想いが込められているようでもあります。

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七原くんの配信者としての実力

七原くんを取り上げようと思った理由は、才ある者がそれを使わないのは愚かな事であり、それを理解できる者がいないのはもっと愚かな事だからです。これは、私の考えるゼネラリズムの根幹でもあります。

資本主義とグローバリズムが生み出した才能が、同じく資本主義とグローバリズムが生み出した価値観に邪魔される。これは、七原くんにピッタリの状況だと思います。

七原くんの配信者としての素質

自称プロリスナーの私をここまでうならせるわけですから、当然、ニコ生以外の個人配信者を全部ひっくるめても、歴代トップクラスです。永井、佐々木に肉薄するレベルなんじゃないかとも思いますね。

ニコニコ動画の代名詞になりつつある彼ですが、七原以前のニコ動の代名詞に「横山緑」という配信者がいます。あくまでも個人配信者というくくりですが、彼も相当な実力者でした。ニコ生の歴史を確認してみると、長らく「ポスト横山」不在であったことがわかり、「野田草履」も「よっさん」も所詮は、横山界隈なんです。

よく七原くんを横山緑の後釜なんていう声を聴きますが、これは本当に理解できます。配信の質という意味では、七原くんが圧倒的なんですけど、配信スタイルという意味では、似てる部分もあるかと思います。七原くんの存在は、Peercastの王者である永井先生と、ニコ動の代名詞だった横山緑のハイブリットという感じなのではないかと思います。

ワードセンスがヤバい!?

正直、彼のワードセンスには震えることがあります。

例えば、

研修で教わるはずだったCtrl+Zを先取りした一言

「相手の心に突き刺さるCtrl+Zかましてきた」

これは、マジで爆笑しました。このワードチョイスを生放送で咄嗟に思いつくのは、天性という他ありません。

他にも、

いばら道の誤認識

あばら道wwwww

道中すっかすかやん。みたいなっ(笑)

この誤認識の仕方が、永井先生そっくりで、この人たちって、一捻りある間違え方をするんですよね。永井先生の誤認識で、特に記憶に残っているのが

風説の呂布【正:風説の流布】

備えあれば嬉しいな【正:備えあれば憂いなし】

両方、誤用なんですけど、噂は時として、ものすっごい強くなることがあるし、備えがあれば確かに悲しくはないよね。って感じで、間違ってるんですけど、微妙に合ってるんですよね。この捻り具合が絶妙で、「あばら道」は、捻り誤用としては、かなり秀逸です。

さらに、七原くんは29歳なんですけど、29歳でExcelを知らない。今でも私はネタだと思ってます。だって、仮にも七原くんてアルバイターとしては、10年選手で、データ入力系のアルバイトもたくさんやってきているはずです。普通、そっち系の仕事の求人欄を見てると、Excel、Word、PowerPointくらいは、見かけたことがあるはずでしょ?

この嘘だか本当だか、わからないネタ振りは、まさに横山緑そっくりで、彼も虚実織り交ぜて、配信を盛り上げるスタイルですからね。虚構と真実の境界線が曖昧というパーソナリティは、エンターテイナーとしての強力な武器になり、これを突き詰めたのが高田純次の「テキトー芸」ですよ。

七原 天性のワードセンス集

「みんな、Excelって知ってる?」

(29歳という彼のバックグラウンドを考慮で想像してみてください)

「CADは、パソコン界の裏の番長」

「ファッショントング」

(彼に言わせると、世間体を気にしてトングを使う人を指すようです)

私は、七原リスナーとしては、にわかですし、生放送で直接視聴したこともありません。なので、こういった秀逸なワードセンスは、探せばいくらでも出てくると思います。ほんと、短時間の視聴でコレだけの迷言を発見できるって、とんだ迷言製造機ですよ。

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七原くんの葛藤!?マネタイズの難しさ

とっても面白い七原くんなんですが、懸念事項もあるんですよね。それがマネタイズの難しさです。彼の配信の良さを言葉で表すなら、「派遣社員もしくはアルバイター、時々、無職の七原くんが」、社会という壁にぶち当たりまくる、というものです。

その様が絶妙に面白いというタイプなんです。いったら、一昔前によく見受けられ、ウザいクレーマーの圧力によって、放送が難しくなってしまった、面白い素人を取り上げる番組に出演する一般人みたいな感じです。

収益を上げると減退する面白さ

結果的には、伝説の個人配信者である永井先生すら、この化け物には勝てませんでした。七原くんの配信スタイルも、このパターンが見事に当てはまってしまうタイプです。

お金を何とか工面して、支払いを乗り切ったり、乗り切れなかったり、時には悪魔のささやきによってギャンブルに打ち込んだりする様が面白んですけど、収入が入れば、これらの魅力は全部なくなるでしょう。

加えて、面白さの減退だけではなく、意欲の減退も必至で、彼は、その状況から配信を組み立てられるタイプではありません。また、彼の場合ギャンブル癖があるので、配信で得た大金で大勝負とか、普通にやってしまいそうです。

外来種ハンターは第二の矛になりえるのか?

ミドリガメを油で揚げて、半生状態で食らう雄姿には、非常に驚かされました。これ一本で武器になるほどではないものの選択肢としては、とっても良いと思いますね。野生児七原は、とても面白いんですが、彼の腎臓がこれについてこれるかが気がかりです。

そもそも七原くんは配信で稼ぐ気がない

自身の好きだったニコニコ生放送の配信者が、お金の魔力にあてられて、次々に面白くなくなっていくのを目の当たりにしたからなのか、彼は配信でお金を得ることを酷く嫌っています。

私、個人の見解としては、この人くらいの才能があれば、収益化するのは何らいやらしいことではないと思うんですけどね。あくまでも、個人配信者ですが、質は芸のレベルに達している思います。天然という名の芸。

それと、七原くんは自他共に認めるADHD(注意欠陥・多動性障害)らしいです。ADHDの人って、特定の分野で物凄い才能を見せつける事があるって言われていますが、ぶっちゃけ私、この意見に疑問を持っていました。しかし、七原くんを見てると、「ああ、アレって本当なんだな!」なんて思わされましたね。

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次世代の抑止力

私は、七原くん界隈で、もうひとつ注目しているものがあります。それが、実は今の日本に最も足りないものなんじゃないか?と考えている抑止力です。具体的にいうと、資本の横暴を受け止めるだけの抑止力が必要だと思っています。

少し前に、フリー素材宣言撤回動画をアップロードしたようですが、このきっかけとなったのが、七原くん動画の無断転載です。

本人がフリー素材宣言をしていたせいもあるのですが、無断転載動画に広告を貼りつけて稼ぐ勢力と、七原リスナーとの間に小競り合いが発生した模様です。これに懲りた七原くん本人が正式に商用利用不可を明言しました。

まぁ、方法としては虚偽通用と、半ば暴走状態といえましたが、あらためてネット民意の侮れなさを実感しました。そして、ネット配信者のネット民を動かす力は、コントロールさえできれば、強力な武器になると思いましたね。ただし、この力のコントロールには、民度の底上げが必須なので、相当難しいんですけどね。

例えば、今回の騒動では、ユーチューバーのAbbieちゃんにも飛び火してましたが、この見極めができないのがネット民の辛いところですよね。彼女の七原くん関連の動画を視聴させてもらいましたが、どれも七原くんの芸風を損なうようなものではありませんでした。

間接的なコラボといっても過言ではなく、それも良質なコラボです。なかなかの迷コンビと思わせる感じで、Abbieちゃんが七原くんに突っ込む動画を七原くんがさらに突っ込むという、むちゃくちゃな動画も誕生してましたからね。

コントロールされたパワーってのは、対象を見極めた上で動きますからね。いったら、ヤムチャの繰気弾っすよ。

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個人配信者とは?

誤解を招きそうなので、私なりの個人配信者の定義を説明しておきます。まず、個人配信者の対極に位置するのが、リスナーの言葉を借りるなら、レビュー系配信者です。そのトップに君臨するのが、ユーチューバー人気の立役者であるヒカキンでしょう。

レビュー系とはいいましたが、利益追求型配信者ともいえます。簡単に説明すれば、配信の質を度外視して、利益さえ得られれば良いというスタイルの配信者ですね。しかし、この定義では、ニコ生出身の配信者で、そこそこの人気を持っている「野田草履」や「よっさん」もレビュー系に該当してしまいます。

私はこの二人については、あくまでも個人配信者であると思っています。そのため、「社会的な意味での特別なスキルを持っていない」、さらに「ユーチューブ主体ではなく、ユーチューブでの広告配信もしていない」とも定義しています。

現在のユーチューブは、配信者にとって、利益追求型の使い勝手の良いコンテンツです。そのため、広告配信かつユーチューブ主体の活動をしている時点で、個人配信の定義からは外れてしまうでしょう。

また、社会的な意味での特別なスキルを持っていないというのは、プロのピアニストがユーチューブで個人的な配信しても、個人配信者とは受け取れないということです。

これは、プロのピアニストが配信を活用してアピールしているだけであって、あくまでもプロのピアニストであることは変わりありません。もちろん、トークスキルがあるだとか、お笑いセンスがある、だとかの抽象論は抜きにしてです。

また、ヒカキンさんなんかは、配信者としては大して面白くありませんが、ビジネスマンとしては成功者ですからね。これは世間一般でいうところのスキルに該当すると思います。

あと、勘違いしてほしくないのが、私がこう定義づけることによって、レビュー系配信者=プロ野球、個人配信者=高校野球などという安易な評価はしてほしくないという点です。

レビュー系配信者トップがヒカキンとはいいましたが、これはあくまで資本という観点から評価しただけであって、質(面白さ)で比較したら、七原くんの足元にも及ばないレベルですからね。

ちなみに、面白さといっても方向性、好みがあるって意見もなしです。私は、あくまでも面白さの絶対値で評価しているのであって、一般的なネット配信のリスナーに比べて、圧倒的に絶対評価が得意だと思います。だからこそ自称プロリスナーなわけですが(笑)。

ただし、好みという意見はなし、といいましたが、あくまでも個人配信というジャンル内での絶対評価であることはお忘れなく。甘い食べ物が好き、塩辛い食べ物が好き、という人それぞれの個性に優劣などつけようがありません。しかし、ケーキの美味しさに優劣をつけることはできるはずです。

それと、これは価値観の話ですが、甘味の方が上、酸味の方が上という、価値観の押し付け合いは、個人的にはアリです。いったら、きのこ・たけのこ論争的な奴。

どっちも好きな私としては、どうでもいいことですが、一見すると大差のないような商品に、お互いの勢力が評価基準を模索して、評価し合うというのは、日本人の議論に弱い点の克服にも繋がるし、否定に対する耐性不足という弱点克服にも繋がると思っています。

それに、あの人たち、なんかとっても活き活きしてるし。

横山緑について

横山緑に対しての私の個人的な評価は、「ニコ生の個人配信者で最も芸人らしい配信者」です。あと、遅れましたが立川市議当選おめでとうございます(絶句)。暗黒リスナーの行動力、ヤバすぎるだろ(笑)。

あと一言いっておくと、緑は配信者という意味での一線を越えてしまったし、立花さんは政治家・活動家としての一線を越えてしまいましたね。どんな業界にも暗黙の了解はあります。ルールは破っても、暗黙の了解は破ってはならない。

プロレスで説明すると、長州力が大仁田厚に言い放った「またぐなよっ!!」。大仁田厚は、しっかりとコレを理解してまたぎませんでした。今回の横山緑の当選は、あの状況でまたいでしまう寒い状況ってことなんです。

あくまでも立候補での話題づくりにとどめておくべきだった…。非常に残念です。三宅氏とも野田君の件で色々とあったようですからね。