シャイニングフォースは、私にとって思い出深い作品で、ゲームに『ハマる』を初めて体験しました。中古ショップで何気なく手にしたのが本作で、今考えてみると、よくあの膨大なソフトの中から選んだものだな。と自分を褒めてあげたいです。
今でこそ、ほとんど見られなくなったものの、90年代の前半はとにかくゲームショップが多く、田舎にもたくさんの専門店があったのです。
クリアするまでにかなりの時間を要する
私がこの作品を初めてプレイしたのは小学校低学年の頃。初代シャイニングフォースは、かなり簡単な部類のゲームで、戦闘で苦労することはなかったのですが、この当時のプレイ方針は決定ボタン連打で会話を一切読まないものだったので、第一章の突破の仕方がどうしてもわからなかったのです。(挫折、はやっ!!)
レリーフってなんだよっ!!
四苦八苦したあげく、どこかにやり忘れがあるに違いない。と、小学生の頭をフル回転させ、もう一度ニューゲームしてみました。するとアルタローンの王様が気になる一言を、「レリーフ」と。
第一章のクリア方法は、アルタローンでの戦闘を一通り終えた後に、竜のレリーフを調べて地下通路を通ってリンドリンド方面に向かう。というものですが、そもそもレリーフの意味が幼稚園には理解できません。
そのため、ここでマックスの冒険はいったん終わり、1年後だけに一念発起して、ようやく第一章を突破できたのです。その方法も手当たり次第調べて、偶然レリーフに触ったような気が…
同じ過ちをランドストーカーでも
シャイニングフォースの反省を他のゲームで一切活かせてないのが当時の私で、同じくクライマックスから発売されたランドストーカーでも過ちを犯しました。
それが中盤の要所『ミルの塔』での出来事で、クソ面倒なアミュレットの試練を乗り越え、意気揚々と塔に侵入した私。時折入るミルの警告?脅し?などには耳も傾けず、プレイしていました。
『にんにく』を手に入れダークエルフを追い払ったまでは良かったのですが、この際の一場面に死角を通って別マップに逃げるという演出があります。
これは画面をしっかり見ているプレーヤーならどこに通路があるか気づくのですが、注意力散漫の私はその場面を見逃して、延々とミルの塔をさまようのでした。これもクリアまで数年を必要としたような。
てか、今考えるとよくこんなんでグリンメイズの森をクリアできたな(笑)
ここからガーディアナの勇者マックスの冒険が始まる
第一章を抜けるのに、1年を要した私ですが、そこから先は特に面倒なギミックもなく、単純にレベルを上げて敵軍勢を蹴散らす。といった仕様が多かったので、すんなりとクリアまで行けました。
しかし、そこからが長く、スーファミを買ってもらうまで3年か4年くらいプレイしていたのを覚えています。
とにかくレベル上げが楽しい
私がこのゲームにハマった一番の要因は、ストーリーが良いとか、キャラが良いとかではなく、単純にレベル上げが楽しいんです。手塩にかけたキャラが少しずつ強くなって様に、子供心に心地良さを覚えました。
私は断然、全キャラを平均的に強くしていくのが好きで、そんな私には大好きなレベル上げスポットがあります。
第一章『古えの門』
1番最初の戦闘ですね。適度なマップの広さと記念すべき光の軍勢の初陣ということで気合いが入ります。タオ、ラグ、マックスあたりを強くしておけば、今後かなり楽になるんですよね。あと、ゴングさんはヒールを使って、無駄に転職後レベル20とかにしたこともあります。(笑)
第二章『サーカステント』
第二章、最大の山場であるサーカステントでのミシェエラドールとの激戦。そんな感じでとっても盛り上がるので、レベル上げにも力が入る。印象的なのは、加入したばかりでHP9のアーサーが敵の攻撃で吹き飛ぶところ(笑)。
攻略本には暗黒洞窟がおすすめと書かれているけど、個人的にはサーカステント、そして次のシェード教会の戦闘でのレベル上げが好きだった。
第四章『ウランバートル港』
仲間もかなり増えてきて、丁度転職が容易になってくる経験値設定のため、レベル上げが一番楽しい時期。転職後レベル5ってのが、私のここでの目標で、ボスのバルバザークは本当に弱い。ここら辺からドミンゴが頭角を現し始めるデチュ。
第七章『メタファー』
アダムのライバル『ケイオス』との一戦で、マップが狭く、開始早々敵との乱戦が始まるので、非常にレベルが上げやすい。敵はトーチアイやジェットといった構成なので、ここでレベルを上げきれば簡単にエンディングを迎えられるんですよね。
強いけどレベル上げが面倒なバリュウなんかもここで上げる。あと、敵が密集しやすいので、アレフのスパークもめちゃくちゃ役立つ。
第八章『ルーンファウスト城』
堅王ラムラドゥとの戦いで、前半と後半に分かれています。前半はキメラ、ブルードラゴンなどが主体なので、レベルを最大限まで高めたい人におすすめ。
逆に後半は、トーチアイやプレインメタルで構成されているため、効率的にレベルを上げたい場合におすすめ。私は、最終ステージよりこっちの方が圧倒的にはかどると思います。
シャイニングフォースの名場面
記憶をなくした兄カインとの戦い
これは驚愕でした。ストーリー的にという意味ではなく、暗黒の剣を装備したカインの破壊力と追い打ちのソウルスチルです。
シャイニングフォースは基本的に強い敵はいないと思いますが、カインだけは別格で、おっかなびっくりで1マス1マス近づいてダメージを与えていました。
ラムラドゥなんかはカインより攻撃力はありますが、この段階でこの威力だからこそヤバいのであって、レベルが不十分なユニットは、一撃のもとに崩れ去っていきます。
こんな印象もあってか、カインはオッドアイと並ぶくらい好きなシリーズ敵ユニットなんですが、リメイクの黒き竜の復活で仲間にならなかったのは非常にガッカリ。
間違いなくナーシャなんてしょうもないキャラを追加するならカインの方が需要があったはず。2週目限定でキョウカQがパラレルワールドから連れてくる的な設定で万事丸く収まったはず。(笑)いや、5週目限定でも私はやったよ
エンディング
このゲームはエンディングがめちゃくちゃ良いんです。個人的に思い入れのあるエンディングは、初代シャイニングフォースとFF6で、この作品はFF6よりもかなり短いのでサクッと観られるんですよね。
めちゃくちゃカッコイイBGMに乗せて、各キャラの攻撃シーンが次々と流れていくという感じなのですが、このBGMがカッコイイけど少し切ない感じになっていて、ああ冒険が終わっちゃう…なんて予感させるのもグッド。
ほんと、何回観たかわからないくらいで、100回に近い回数だと思います。また、最後に劇中、終始ダンマリを決め込んでいたマックスがアダムに語りかける名シーンで終わるんですよね。
フトウメイレイ???
これ長時間プレイの時に、メガドライブが熱暴走でもしたのか、ショックを与えたわけでもないのに、『フトウメイレイ』という文字が表示されてフリーズするんです。
実は、メガドライブは我が家から、ばあちゃんの家に渡った経緯がありまして、おばあちゃんっ子だった私は、スーファミを買ってもらったので、ばあちゃん家に泊まった時に暇をしないようメガドライブを置いておきました。
ばあちゃん家に泊まりに行った時は、滝クリもビックリな孫への『おもてなし』の御馳走の後、シャイニングフォースというのがお決まりでした。数日泊まるのが当たり前だったので、ぶっ続けでプレイすることもあって、専ら最終ステージでのレベル上げです。
そして、深夜に突然フリーズして『フトウメイレイ』という謎のメッセージが画面上に表示されました。初めての時はセーブしてなかったので発狂しそうになったのを覚えてます。
以前、伊集院光さんが深夜の馬鹿力で、風来のシレンのパルテノスの話をしていたことがあって、このパルテノスは初代シレンの没モンスターで、後にシリーズ登場を果たしたモンスターです。
伊集院光さんも根っからのゲーマーで、初代風来のシレンを長時間プレイした結果、突然バグが発生してパルテノスが出現したことがあったそうなんです。
この話を聞いた時に私が思い出したのがシャイニングフォースの『フトウメイレイ』で、長時間プレイは予期せぬ状況を発生させることもあるんですね。
お気に入りキャラ紹介
ザッパ
バストークの王にして精霊王ザッパ様。このキャラは強さと登場段階が絶妙で、何回プレイしても即戦力、切り込み隊長として活躍してくれます。そんなユニットなのでファンからは親しみと畏怖の念を込められてザッパ様なんて呼ばれる。
シャイニングフォースには数少ない獣神ユニットで、初代のザッパが圧倒的過ぎるので、後のユニットには非難が集中することも?2のゲルハルトなんてその最たる例でしょう。強さはピーターに次いで2番手というくらいなのにザッパ様が異常すぎました。
チップ
初代にて『優遇されすぎる僧侶』というポジションを確立。ザッパに同じく、チップ無双なんて言葉も生まれるほど活躍し、オーラでのレベル上げが容易なことから、いくらでも強くできるんです。この犬。
パワースティックを手に入れたあたりから本領を発揮して、次々とゾンビの頭を棒で吹き飛ばしていくチップの姿は、まさに逆バイオハザード。2ではツィッギーがその座を引き継いで、今度はオーラではなく、サポートで延々とレベル上げが可能になった。
タオ
初期メンバーからいる大人しい魔導師。しかし、ブレイズの有用性が異常で、後の作品ほど敵のHPが高くないので、相対的にコストパフォーマンスの高いブレイズ系の魔法が輝くんです。
MP8で30~40のダメージは初代では有用すぎます。装備によっては水着姿になるなど、製作陣からも愛されたキャラなんですよね。
アーサー
手間のかかる子ほど可愛いを体現する洗濯好き。イクメン?(爆笑)どうやら、高貴な生まれらしく王族の血を引いているらしい。典型的な大器晩成ユニットで、序盤は全く役に立たず、後半は清々しいほどの勢いで猛烈に能力が伸びていきます。
オリジナル版では攻撃力がレベルアップで10伸びることなんかもあったような?それだけにリメイク版での弱体化は惜しい。
ドミンゴ
それぞれのプレイ方針も加味しての最強ユニットを決めるなら、おそらくドミンゴかザッパになるでしょう。ドミンゴは設定上は魔導師系ユニットなのに、何を間違ったのか異常な防御力を誇ります。
さらに、飛行ユニットなので移動制限を受けず、いきなり敵陣に突っ込んでフリーズ4をブチかます姿には、頼もしい以外の言葉が思い当たらない。
逆に、同じフリーズ系を扱うガーディアナ王の娘にあたり、光の軍勢でも中心メンバーのアンリ姫が霞んでしまいます。この人は、本当にドミンゴのせいで目立たない。
ハンゾウ
最後の助っ人で、初代様にも負けない木遁忍術の使い手。その木遁忍術の完成度には、気づかないプレーヤーも続出して、彼をお目にかかれないままクリアする人も多数いたとか。単なる人見知りとの噂も…。
そんなお茶目な彼ですが、攻撃エフェクトがシャイニングフォースの中でも特殊で、音もなく敵に近寄り、首を落とすという、めちゃくちゃカッコイイものになっています。
もちろん、最後の助っ人だけあってかなり強く、移動力が非常に高いので、ザッパ、ドミンゴあたりと組ませて切り込み隊長として活躍できる。
リメイク版では転職可能になっていて、スーパーシノビなんて後付け臭いぷんぷんの職業が誕生したけど、個人的にはシノビのままが良かった。てか、ザ・スーパー忍からきてるのか?同じメガドライブだし。
ムサシ
ハンゾウ以上の人見知りで、第七章で隠しユニットとして仲間に。プロンプト到着時から仲間にできれば見つけられた可能性もあったけど、特定イベントをこなした後から仲間にすることが可能になるため、タイミングの違いで、ほんと探しても探しても見つからなかったトラウマキャラ。
双葉社の攻略本にその存在は書かれているけど、『第七章で”ある”方法を使ってパーティーに接触してくる!!』その方法を書けよっ(激怒)。
しかも、攻略本のタイトルがメガドライブ完全攻略シリーズだからね。怒りの投書をしそうになる杜撰さ。ただ、仲間に入ると、韋駄天リング前提ですが、ハンゾウ以上の活躍を魅せる超強力ユニット。
丁度、パーティーにとって脅威になるトーチアイを菊一文字で真っ二つにする姿は非常に頼もしい。
そもそも、加入段階で完成された強さなのに、レベルアップで、さらにもう一段階伸びる。リメイクでは剣聖?剣豪?だったかの上級職が追加されて期待したけど、オリジナル版ほど強くはならなかったです。
アーネスト
バルバザーク風情にやられる程度なので、その強さは期待できませんが、グラフィックがカッコよく維持でも使いたくなるキャラ。暗黒の騎士という感じで、デビルランスが一番似合う。せめて、ペイルくらい強くなってくれれば…
エリオット将軍
敵にしておくのが惜しい男。ランドストーカーでセコイ手を使ってライルを出し抜く、同じくドラゴニュートのゼットとはエライ違いようです。
武人の中の武人で、マックスという好敵手に敗れて、満足するかのようにパオ大平原に散っていきます。このキャラもオマケかなんかでよいので仲間にしたかったキャラで、結局リメイクでもそれが叶うことはありませんでした。
しかし、外伝作品でエリオットの息子であるエリックが光の軍勢に加入してくれて、一目でエリオットと関係のあることがわかりましたね。
リメイク版 黒き竜の復活
このように初代シャイニングフォースには思い入れが強いので、ゲームボーイアドバンスで発売されたリメイクである黒き竜の復活もプレイしました。
しかし、残念な点が多かった感じで、まずオープニングデモとも言える、マックスVSバリオスの一戦です。戦闘を終えてのマックスの第一声『お師匠様』(笑)。これでいっきに萎えましたね。私の抱いていたマックスのイメージとは随分違う…。
こんなんならリメイクでもマックスは喋らせるべきではありませんでした。
また、各キャラのパラメーターに下方修正が目立ったのも残念で、特に全体的な攻撃力の低下が目立ちました。
これは新キャラであるキョウカQのカードに起因する部分だと思いますが、ムーブでの2回行動が可能になり、全体攻撃や射程無視攻撃が増えたためではないでしょうか。バリュウ、ザッパ、アーサーと軒並みダメージが下げられ、かなり物足りなさを覚えました。
既定ターンクリアボーナスの追加、強化Qのカード、ナーシャ+ズイカの追加などなど基本的に追加要素は良いものが多かったのですが、アドバンスのグラフィックの限界と言いましょうか、なんかメガドライブに比べると、全体的にチープになったような。
明らかにゆとり世代を意識したようなグラフィックで、クライマックス作品は何といっても、玉木美考さんの独特な絵が魅力的なので、これを損なってしまったのはある意味、致命的かもしれません。
ランドストーカーなんかもPSPでリメイクの話が持ち上がり頓挫しましたが、このような有様になってしまうのであれば、あれで良かったのかもしれませんね。
シャイニングフォースの総評
ストーリーも王道で、小学生の頭でも理解できる取っつきやすさ。オリジナリティ溢れるグラフィックやクライマックス式の亜人種共存などが描かれとっても魅力的なゲームで、メガドライブの代表作のひとつであることは間違いないでしょう。
しかし、私にとってはこの作品と歩んだ時間の方が重要であって、特に大きいのが私にレベル上げの楽しさを教えてくれたことです。
私は無駄にレベル上げをするのが大好きで、RPGをこよなく愛する理由がレベル概念があるからです。ドラクエ、FFのレベル99は当たり前で、FF4では勢い余ってオープニングを終えたばかりのカインと二人旅の時点でレベル99にしてしまうという奇行も。
FF5では第一世界でジョブレベルALLMAXなどなどレベルアップ関連の奇行は、枚挙にいとまがありません。もし、この作品に出会わなかったのなら、私のゲームプレイ方針はもう少し健全になっていたかもしれません。
わたしですか。わたしの名まえは