ロックマンDASH 鋼の冒険心 評価レビューや思い出 【恋せよトロン】

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我が家に漂流してきた不遇の作品

ロックマンDASHとの出会いを語る上で、やっぱり外せないのが友人A。当サイトの評価レビューにたびたび登場する人物ですが、この作品はAの家に来るまでにも色々な経緯があって、最終的に私が譲り受けるかたちで、今でも実家の押入れに眠っています。

貰った時にパッケージがボロボロだったんで、どうにもやる気にはなれず、ふとした拍子でプレイするまでは、ゴミと間違えられてもおかしくないような状態で、リビングのテレビ台の下に放置されていたのでした。

当時PSマイブーム真っ盛り

積みゲーどころの騒ぎではないって感じですが、当時は丁度PSを買ってもらったばかりの頃なので、私の中にマイブームが巻き起こっていました。

なので、とにかくやりたいゲームがたくさんあって、半ばその存在を忘れ去られていたのがロックマンDASHです。そこからのプレイは、どんな拍子だったのかも覚えておらず、たぶん体験版をやるかのように、何気なくPSに突っ込んだのだと思います。

私のロックマン遍歴

ロックマンシリーズと言えば、ファミコン世代は誰もが知る名作です。しかし、初ハードがメガドライブの私にとっては、ハッキリ言ってソニック以下の知名度です(笑)。

わたしって本当にファミコン全盛期とは縁のない人で、唯一プレイしていたのが、友人宅でスーマリ3をやっていた程度でした。加えて、シャイニングシリーズで完全開花をむかえた、ロープレ熱が強すぎて、あまりアクション系のゲームは好きじゃなかったんですよね。

まぁ、スーパーマリオブラザーズ3は人並みに熱中しましたが(全て友人宅)。近所でロックマン2、ロックマン3がブームを迎えていたのは間近で見ていたのですが、プレイするに至らず、実はロックマンシリーズ初プレイとなったのが今作なのです。

だからこそ放置期間が長くなったわけですが…

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プレイと同時に評価が一変!!まさに神ゲー

ロールちゃんの「頑張ってね!!」に後押しされる感じで、早速プレイしてみると、今までの不評は何のその、みるみるうちに引き込まれていきます。

世界観の良さはPSトップクラス

FF8のレビューで箱庭感を交えて評価しましたが、そんなFF8と並ぶ世界観を持つ素晴らしい作品がロックマンDASH。何が良いのかというと、冒険の舞台となるカトルオックス島の「裏の顔」と「表の顔」の対比です。

このゲームのロックマンは、ディグアウトを生業とする本作とは別のロックが主人公で、正式名はロック・ヴォルナット。ロックはディグアウターという職業で、これは平たくいったら盗掘行為?いや、トレジャーハンターと言おう。

つまり、ダンジョン探索がメインのゲームなんですけど、そんじょそこいらのゲームならこの設定だと、ダンジョン8:他2とか、ダンジョン7:他3くらいの割合に落ち着くはずです。

しかし、ロックマンDASHは、きっちりダンジョン5:他(地上)5にまとめてきています。それだけカトルオックス島の表の顔の部分の印象が強烈で、その分、裏の顔であるダンジョン探索の何が出てくるかわからない恐怖感と、ワクワク感が際立つんです。

箱庭感がわからにゃコレをやれ!!

私の言っている箱庭感は少し特殊な使い方になるので、ピンとこない方もいると思いますが、それを知りたいならこの作品をプレイすればわかるはずです。

これほどまでに私の言っている箱庭感を体現してるゲームは他になく、冒険の舞台であるカトルオックス島は強烈な引力でも働くかのようにプレーヤーを惹きつけてやみません。

しかし、カトルオックス島は絶海の孤島という感じで、2の舞台になる大陸と比べても、圧倒的に小さな島。ただ、ダンジョンの魅せ方が非常に上手いので、地中に伸びる無限洞窟という感じで、体感的な大きさは島の大きさとは比べ物にならないです。

FF8は実世界より体感的に狭い感覚が箱庭感に結びつきましたが、逆にロックマンDASHではカトルオックス島より体感的に広い感覚が、ほど良い世界観となり、箱庭感を私に感じさせてくれました。

表の顔

カトルオックスの「表の顔」と言えば、島の真相とは無縁の日々を送る町の人々でしょう。とにかく、のほほんとした奴らばかりで、みんな憎めません。

とある事故が原因で不時着したロック一行の乗るフラッター号を快く受け入れてくれて、修理するまでの間の一時的な停泊地として島を利用します。

裏の顔

さて、ロックの職業はディグアウターですが、お宝探索の一番の目的がディフレクターという結晶です。大きさに比例したエネルギーを秘める、色々な機関の動力源となるこの世界では非常に貴重な存在。

フラッター号の修理にも大きなディフレクターが必要で、それを求めてダンジョン探索をするうちに島の真相に近づいていくという感じです。

ディグアウトは未開の洞窟探検のイメージで、地下に潜るほど、表層とは一変した不気味な雰囲気が漂っています。ディグアウターは地上に残ったサポーターと2人1組で仕事を行うのが基本で、ロックの相棒はもちろんロールちゃん。

無線で逐一あたりの状況を知らせてくれるのですが、このロールちゃんの声が未開の洞窟に差す一筋の光明という感じで、雰囲気が出ています。

ロックマンシリーズのキャラクターは可愛らしさと、とっつきやすさで売っている感じなので、ダンジョン探索のリアリティの演出は難しい感じがしますが、この作品ではそれが見事に再現されていて、個人的にはバイオハザードさながらの緊張感を味わえました。

巨大な犬系のリーバードや音波を発する鳥系のリーバードが特に怖かった。

本作とは相反するフリーランニングRPG

ロックマンシリーズと言えば、決められたステージを少しずつクリアして武装を強化していくシステムが一般的です。

しかし、本作ではフリーランニングというシステムが導入されていて、ロマサガのようなストーリー進行の自由度ではなく、各ステージで自由に動き回れるという意味の自由度です。

自由度=悪さと言える、ソフトGTAのような感じのものがやんわりと入っています。まぁ、町に落ちてる空き缶を蹴っ飛ばしたり、自販機をロックバスターでぶっ壊したりとちっぽけな悪さですが、正義の味方ロックマンとは一線を画したロックを味わえるのも魅力です。

ボス戦なんかも、ロックマン2のように弱点武器を至近距離から当て続ける戦法ではなく、遠くの物陰に隠れて、ロックバスターでチクチク痛めつけていく戦法が圧倒的に有効。

ボス戦用のフィールドは序盤から中盤まで、街のフィールドをそのまま使われることが多いので、街を壊すゴジラの気分を味わいながら、応戦していくかたちです。

寄り道要素が楽しい

ボーン一家に壊された町を募金というかたちで復興させていったり、ディグアウトで手に入れた貴重品を博物館に飾ったり、もちろんお馴染みのロックバスターの強化もあります。

ダンジョンや町のゴミ箱(笑)から手に入れたガラクタを組み合わせて、天才ロールちゃんが役立つ武具を作ってくれるので、それを使ってロックバスター、特殊武器を強化していく感じです。

この世界はディフレクター(お金)が物を言う世界で、特殊武器の改造に膨大なお金が必要です。やり込みの大半は特殊武器強化のための資金稼ぎになり、特にアクティブバスターを最大強化した時の達成感はひとしおでしょう。

あの便利なホーミング弾が段数無制限(だったっけ?2だったかな無制限は)になり、破壊の限りを尽くせます。また、そのアクティブバスターを改造するためにやるミニゲームの「禁じられた遊び」がジワジワはまる。

なんのことはない、犬に延々とボールをぶつける某○○シェパードが発狂しそうな感じの愉快なゲームなのですが、アンニュイでユルめのBGMなんかがツボにハマって、ついつい虐。(あっ、これは初めての人には言っちゃダメな奴だ。)遊びがはかどってしまいます。

強くてニューゲーム

クロノトリガーでお馴染みの強くてニューゲーム。ロックマンDASHにも取り入れられていて、通常クリアの後に、難しいをクリアし、その後スタート画面で選べる簡単モードを選べば、ロックバスターにマキシマムバスターが装着された状態でスタートします。

連射、攻撃、射程の全てがMAXになるパーツで、マキシマムバスターを使ったプレイはかなり爽快感があります。特に序盤は圧倒的な攻撃力で敵が次々に沈んでいくので、スーパーヒーロー気分を体感できるんです。

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キャラクターの魅力も圧倒的

ロックマンシリーズのメインタイトルは割とメインキャラクターたちが控え目な印象を受けます。しかし、DASHはそんなメインシリーズを圧倒するくらいキャラクターが際立っている感じで、まず注目が主人公ロック・ヴォルナットです。

まぁ、キャラクターは主人公キャラによく見受けられる普通の正義感なんですが、声優が田中真弓さん!!

これが完全にハマった感じで、ロック=田中真弓さんは、マジで相性バッチリ。ファンには説明不要かと思いますが、ドラゴンボールの孫悟空の親友でもあるクリリンの声優さんです。最近はルフィの方がわかりやすいのかな?

ロール・キャスケット

シリーズお馴染みのロールちゃんではなく、ロールキャスケットという別キャラで登場する今作のロールちゃん。天才メカニックらしい、オシャレには疎い感じのボサボサ頭が特徴で、個人的にはこっちのロールちゃんの方が好き。

悪い(黒色)ロックを貫くと途中でイジケちゃう、なんて可愛らしい一面も持っていて、声優さんも素敵です。ドラゴンボールのアンニン??誰やねん(爆笑)他も私の守備範囲外の役が多くわからない。

強いて、有名どころであろうキャラを挙げると進撃の女体でお馴染みのかぼちゃワインのエルちゃん。あと、初代ドラミちゃんの声優さんらしいです。ただ、声はとっても良い。

トロン・ボーン

これは敵?ライバル?であるボーン一家の長女で、ロールちゃんと同じ天才メカニック。個人的にはトロンに感情移入しちゃう感じで、ロールという存在に気づきながら、戦いの中で芽生える、ロックに対してのほのかな恋心に葛藤する可憐な少女。

ツンデレを地で行く感じのキャラで、本作では三角関係にすら発展せず、胸の内で再戦?(再会)を誓い、ひっそりと海の向こうに去っていく姿が、可愛らしくもあり、切なくもある。

ほんと、この娘がいい味出している感じで、割とロールちゃんよりトロンというユーザーは多そう。この娘が主役のスピンオフ(トロンにコブン)作品なかも発売されていることから、やっぱり人気キャラクターなんだろうね。

叶わぬ恋に振り回される、かわいそうなキャラではなく、明らかにその恋心が原動力になっている活き活きとした部分も魅力的なんだよね~。

ティーゼル・ボーン

ボーン一家の長男で、敵ながら憎めない奴。典型的な兄貴分キャラで、少し間の抜けたところも持ち味。

サルゲッチュのスペクター的な愛らしさを持つ奴で、大半のボスはこいつにけしかけられるんだけど、ティーゼル自体がこんなんなんで、終盤の終盤までは、これとって敵と言える敵が存在しないゲームなんだよね。これもロックマンDASHの持ち味だと思います。

ダンジョンで出てくるリーバード(他ゲーで言うモンスターのような存在)もガーディアン的な立ち位置なので、敵意とは違うかな?

コブン

仮面ライダーで言ったら、ショッカー的な役割なんだけど、ショッカーなんかとは比べ物にならないくらい可愛い。声優さんもバッチリで、クレヨンしんちゃんの「おけい」の子供、ひと君の2代目らしいので、この系統とか動物系の声が得意な人なんでしょう。

幽白の朱雀のペットの声もやってるようだし。こいつらもロックマンDASHの箱庭感に欠かせない存在。

ロックマン・ジュノ

このゲームには敵と言える敵がいないと言いましたが、この今作の最終ボスであるロックマン・ジュノのみは明らかに倒すべき敵として登場します。

登場の仕方が唐突で、ダンジョンの最深部でいきなり登場したかと思えば、一等粛清官やら三等市政官やらわけのわからない言葉を連呼してプレーヤーを驚愕させます。そして、また悪役の親玉っぽい声が良いんですよね。

アスラン・ザラ、渚カヲル、アシュトン・アンカース、リッド・ハーシェルとゲームにアニメに主役、メイン級を数多くこなす実力派声優さんです。

ダメージもそうですが、技の台詞一発一発に重みがある感じで、まさにラスボスという感じで印象に残りました。

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隠れた名曲『あなたの風が吹くから』

こんな感じで、めちゃくちゃ世界観が気に入っている作品なので、やはりカトルオックス島との別れは辛いものです。

カトルオックス島の人々との別れがエンディングシーンなのですが、確かスタッフロールの途中あたりから、この『あなたの風が吹くから』というエンディングテーマが流れます。

森下玲可さんが歌う曲で、シリーズファンからの評価が非常に高い曲。演出がめちゃくちゃ良くて、頭の中で冒険の回想をしながら聴くと、マジで泣きそうになるよ。

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感動のバトンを渡せなかった次作

これだけ好きになった作品なので、当然次作もプレイしたのですが、初代名作の2作目によく見受けられる『灰汁取りで失敗して旨みまで取ってしまった』タイプのゲームです。

今作ではカトルオックス島という箱庭を用意して、その範囲内でのフリーランニングでした。これに対して次作では、フラッター号の機動性を存分に使って世界を飛び回るシステムに変わっています。

ここが次作の決定的な失敗点で、広く浅くを求めた結果、前作のダンジョン探索の恐怖感や深みが完全に消え去ってしまいました。丁度、幻想水滸伝4の群島移動のような感じですかね?

町やその人々なんかも、カトルオックス島ほどの依存度はなく、かなり淡泊な感じなので、前作で培った世界観が台無しになってしまった感じです。

フリーランニングでありながら、適度な箱庭感、これを両立させた秀逸な作品であっただけにかなり残念でした。とは言っても、根性でシャイニングレーザーのフル改造は達成しましたが

幻のロックマンDASH3

カプコンの中では根強いファンがいるシリーズなので、3もプロジェクトまでは立ち上がっています。しかし、途中で頓挫した経緯があって、結局完成することなくお蔵入りとなった幻のロックマンDASH。

しかし、蓋を開けてみると、ファンの意見を集めて作るDASHがコンセプトだったらしく、ファンには申し訳ないのですが個人的には頓挫して良かったとも思っています。

そもそも、普通の人に比べて圧倒的な技術力と発想力を持ち合わせていなければならないゲームのクリエイターが、ファンの意見に耳を傾けているようでは1のような大作は生まれませんので、おそらく実現していたとしても名作にはならなかったような気がします。

具体的な話が持ち上がったのが2010年で、この頃にはファンのゆとり化も相当なレベルに達していたので、余計に愚策になった可能性が高い。このロックマンDASHにも教えてもらいましたが、やっぱり伝説は伝説のままに終わらせるべきなんです。

一度、完成しかけたという事実があるので、ファンの中ではより永遠として残るんじゃないですかね。あの時もし完成していれば…ってね。

でも、実はその、『もしも』を考えられる状況こそが一番幸せってことに、そろそろ気づくべきです。

事実(現実)は小説(妄想)よりキモイなり

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あとがき

ロックマンDASHはプレイステーションのアクションゲームの中でもかなり印象的な作品で、そもそもプレイステーションってアクションゲームが弱いんですよね。

特に私のような割とライトなゲームを好むタイプの人向けの作品が少ない感じで、これの他に思い浮かぶ名作がサルゲッチュシリーズくらいです。

出会いが出会いだっただけに、その後の気持ちの変化がとっても印象的で、プレステ・アクション不朽の名作として一生心の中に残っていくと思います。ちなみに、この作品がきっかけになって、ロックマンシリーズの1~7までをプレイすることになり、全部実機でやる気合いの入りよう(笑)。

これが丁度、会社を辞めてすぐの時期で、20代半ばの良い大人が、この平成の時代に、日中の真昼間からファミリーコンピューターでロックバスターをぶっ放していました(爆笑)。

今考えると、かなりヤバいよね。ロックマン初代はちょっと難しすぎて、2が至高、3が良作、4~6がマンネリ、7がちょっと新鮮な感じ。という評価だったかな。

でも、やっぱり私の中のロックマン№1は、初代DASHですね。

気円斬!!