『ランサーズ』をグーグルで検索すると、真っ先に『ランサーズ 地雷』などという文字が目に入る。ランサーズに興味を持って検索した人達にとっては、さぞショッキングなことだろう。
ランサーズで飯を食うためには地雷クライアントの研究は必要不可欠だ。というより、クライアントの質を見極める観察力が必要になり、吹っ掛けたり、吹っ掛けられたりと、まさに騙し合いの世界である。
私のランサーズでの普段の活動について紹介しておくと、専らSEO用のサテライトサイト作成に精を出していて、ここ1、2年は特定クライアントからの依頼が継続している状態。
しかし、最近ふと思い立ったこともあり、丁度タイトルにもある1文字1円程度のライティング依頼を受けることが多くなった。その結果、地雷クライアントについての研究が、またひとつ進歩したので、ここに記そう。
1文字1円の壁とは?
SEO用ライティング飽きたランサーの目下の課題
1文字1円程度のライティングは、以前にも何度か取り組んだことがあります。この単価帯は、SEO用コンテンツ制作から一歩踏み出そうというランサー達のとりあえずも目標になることが多い。
記事の目的がサテライトからメインへ
これまでサテライト用の記事ばかり書いてきたランサーがメインコンテンツ用の作成に乗り出すことになるので、当然そのギャップに悩む可能性は高いです。
端的に言えば、機械に見せる記事から人に見せる記事に変わるわけで、機械と人との反応の相違。ここに悩ませられるライターが多いのです。これが1文字1円の壁のひとつ目の正体。
流石に1文字1円を量産型のサテライトに出す人は少ないと思われ、もしそうなら私の普段取り組んでいる依頼が1文字1円に化けたとして、8時間労働で日給4万~5万になってしまう。
2年以上ランサーズを見てきて、ここまで極上の掘り出し物には出会ったことがないので、やはり1文字1円=メインコンテンツと考えるべきです。
第二の壁はクライアント
ここが今回の本題です。この単価帯に集まるクライアントは、いくつかの特徴を持っていて、全てが全て当てはまるわけではありませんが、それでも個人的には、ライターが軽視できるものではないと思っています。
無駄に意識が高い
良いコンテンツを作ろうと向上心を持つことは良いことです。しかし、単価が伴わなければ、地雷クライアントと呼ばれてしまうのは仕方がないところで、まるで特異点かの如く、この価格帯のクライアントは単価以上の高品質を要求することが多い。
ランサーズで名の売れているライターの参考文章を見る限り、それと同様、稀にそれ以上を求められることが多いです。
結果!買い叩かれる!?
あくまでも個人的な感覚ですが、上記のような理由から適正単価の半分、1/4と買い叩かれる可能性があって、結果0.4円で気軽にサテライト用記事を作成していた方が圧倒的に儲かる。といった事態になってしまうのです。
トラブルが多い
ランサーが他のランサーとクライアントのやり取りを確認する方法は、ランサーズ内での評価くらいしかありませんが、不思議なことに低評価のラリーが確認できることが多いんです。
もちろん、もっと低い単価で低評価ラリーが行われることもありますが、この価格帯の場合は、ライターのプライドとクライアントの無駄に高い意識が衝突することによって発生しているのではないかと、仮定しています。
特に地雷クライアントと地雷ランサーの低評価ラリーは熾烈を極め、コメントが物凄いことになっています。さながら核融合と言ったところか…
意図を伝えない
これはランサーズ地雷案内所さんも言っていたことだが、一言でランサーが全ての意図をくみ取れると思っているクライアントが多い。
逆にしっかりと資料を提出してくれたかと思えば、無駄に高い意識から、1から10まで事細かく指定してくるクライアントも多かったりします。
ほとんど、100~200文字程度の説明を付け加えることで解決する問題だが、これをメッセージで繰り返しやっていると、1文字1円の単価がどんどん圧迫されてくるのです。
ランサーズのトップクラスのライター達
ランサーズのトップクラスライターは、1文字2円、3円、話に聞くと10円以上で請け負うライターもいるようなので、この単価帯で精神をすり減らしてしまうと、トップランサーへの道が遠くなってしまうかもしれません。
メインコンテンツの以上のライティングになってくると、言い値で文字単価が決定することが多く、ことWeb大手企業になってくると、どんぶり勘定な会社も多い。
加えて、大手企業はステータスに弱いので、知名度、カリスマ性に金を惜しみなく金を使います。ランサーズのトップ集団は、ライティング能力でいえば、どんぐりの背比べ状態で、よくトップ集団の人達を調べていますが、今のところこの集団を抜きんでた人物はひとりも知りません。
しかし、稼ぎや実績は大きな差がついているのが現状で、この事実は壁からの脱却と、1文字1円クライアントがこの単価帯に集まるヒントに繋がると思います。
なぜ、この単価に集まるのか?
売国奴をする、かの国の人の如く。刑務所で人種が自然に住み分けられるかの如く。様々な利害関係が働いた結果、1文字1円という単価帯に地雷クライアントが集まってくることが多いのではないでしょうか。
一つの要因として、上で紹介したトップ集団のライターに金を払いたくない。つまり、逆有名税とでも言いましょうか、知名度に金を払いたくないんです。さらにメインコンテンツなので、できるだけ質を突き詰めたい人達です。
事実、この手の依頼の作業指示書にはSEO関連の制約が膨大に記載されていることが多く、ライティング依頼でライティング以外のことをできるだけさせようという魂胆のクライアントが多くなっています。
1文字1円の壁の破壊と地雷クライアントの利用価値
さて、散々悪い意味での1文字1円クライアントの特徴を書いてきましたが、このようなクライアントに利用価値がないわけではありませんし、普通に質相応、質以上に支払ってくれるクライアントもいます。
ベテランランサーは知っている【提案0の理由】
この手の地雷クライアントによく見受けられるのが、提案が全くされない、もしくは実績が少ないランサーばかり、という状況です。
この状況の答えは、なんてことはない、ランサーズに慣れたり、ライティングに慣れたベテランのランサーは、誰が地雷で、誰が地雷ではないか、しっかりと見極めていることが多いんです。
しかし、初心者ライターはこれを知らないので、提案0の状態をラッキーだと勘違いし、まんまと蟻地獄に吸い込まれてしまいます。提案0かつ締め切り間近で提案をすると、ライター実績に限らず、すんなりと通過することが多いんです。
地雷クライアントの利用価値
この単価帯の地雷クライアントは、0.2円以下の地雷クライアントとは全く性質が異なっていて、アフィリエイトなどのネットビジネスの成功者であることも珍しくはありません。
それゆえに、一緒に仕事をすると、キャッチーな記事の書き方だったり、SEOスキルだったりを吸収できる可能性もあるので、それらのスキルを身につけるために、あえて壁にぶち当たったり、落とし穴にはまってしまうのも良いかもしれません。
ただ、絶対におすすめしないのが、1文字1円の価格帯の案件に掛け持ちで提案する方法です。特にサテライト用コンテンツ作成から上がったばかりのライターがこれをやってしまうと、複数のクライアントからの修正に次ぐ修正で、心が病んでしまう可能性があります。
大切なのは、1件1件と足場を確認しながら踏みしめていくことです。
『まだクラウドソーシングで消費してるの?』の正体
よく1文字1円の低単価。なんて言葉を目にして、私は疑問に思っていました。なぜなら、私のスピードライティングで1文字1円の単価をものにすれば、ひと月100万は軽く超えていくと思っているからで、どうしても1文字1円が低単価とは思えなかったんです。
しかし、1文字1円の壁の正体が見えてくるに連れて、その意味がわかってきた感じで、これこそが『まだクラウドソーシングで消費してるの?』の正体でもあったんです。
1文字1円の壁の崩壊
単価重視で稼いでいきたい人は、この1文字1円の壁を超える必要があります。そのために重要になってくるのが、売れる記事、クライアントを納得させられる記事を書けるか?
これは、本質的な意味での記事の良し悪しではなく、PV、CVR(広義的にとらえ「いいね」等のSNS共感コマンドも含む)の良し悪し、つまりは拝金主義的な意味での良い記事を書く必要があります。
わかりやすさ
1文字1円以上のクライアントが多用する言葉が、「馬鹿でもわかる」「小学生、中学生でもわかる」といったものです。このことからもわかりやすさは非常に重要で、硬い文章が染み付いているタイプの人は、Webライティングでのし上がるのに苦労するかもしれません。
クライアントの意図を汲み取る
1文字1円以上の依頼で重要なのが、クライアントの意図を汲み取る力です。極論を言えば、クライアントがOKなら、100人がク○記事認定するような記事でもOKなのです。Yahooニュースでは、まさにこの光景が日常茶飯事で、いかにクライアントに対しての説得力が重要かがわかるでしょう。
ステータスを身につける
これはランサーズで言うなら認定ランサーです。私は認定ランサーではありませんが、1文字1円以上の単価をメインに仕事を受けるつもりならば必須になってくるでしょう。
さらに、資格や特定業種の勤務経験、いわゆる中の人系記事を書ける人は、壁を壊していける可能性が高くなります。例えば、IT系のテクニカルライターなんかは、素人の私でも、低レベルだとわかるような記事に超高単価が付けられている事もあります。
この手の記事を専門に書ける人は参考にしてみるとよいかもしれません。これは、ネット後進国の日本の環境が生んだ隙間産業なのかもしれませんね。
あとがき
今回このような記事作成に至った理由は、私と同じようなサテライト用コンテンツを量産した人が、上を目指そうと思った場合に、この1文字1円の壁が障害になりそうだと思ったからです。
この1文字1円の壁の正体を知らずに、精神をすり減らした結果、Webライターをやめてしまう人も多そうな気がしましたので、そんな思いから作成に至りました。
今回の記事を呼んでいただいてもわかるかと思いますが、やはりWebライティングをする上で、クライアントを見極める目、つまりクライアント選定スキルは非常に重要だといえるのではないでしょうか。