【出会い】友人Aとアークシリーズ
私のアークシリーズとの出会いを語る上で、欠かせないのが友人Aの存在です。実は、スーファミ、プレイステーションのほとんどのソフトは、この人から借りたもので、ある意味では私のゲームの師匠のような存在です。
とにかくゲームのラインナップが豊富な家で、その理由は親子でゲームファンをやっていたからです。私の両親はゲームなど全くやらない人なので、ドラクエ新作について語り合う姿を横で見つめて、そんな親子関係がなんだか羨ましく感じたものです。
アークザラッド1
そんな友人がアークザラッドにハマっていたようで、アークがどうのとか、トッシュがどうのとか、私はアークザラッドをやったことがない、というか知らなかったにもかかわらず、延々と学校の帰り道に話された記憶があります。
でも、とても楽しそうに話すので、決して嫌ではなかったんですが。しばらくすると、アークザラッド1はクリアしてしまったらしく、今度は2を始めたみたいでした。
友人Aがクリア後は、私が借りて取り組む、このような関係は小学校から中学校を卒業して、別々の高校に行くまで続いて、もちろんアークザラッドの1も2も、そんな独自の流通網(笑)からゲットしたのでした。
あの時を思い出して廉価版を買う
基本的には友人Aから借りたものをサラッとプレイしてクリア。その数年後にふと思い出して、廉価版を購入。こんなパターンが出来上がっていました。確かザ・ベストなんて名前でしたね。
ちなみに、アーク1・2だけではなく、幻想水滸伝1・2、デスティニー、ファンタジア、FF7なんかもそのパターンでした。
アークザラッド1は総合力
アークザラッド1はライトユーザー向けの総合力の高いタイプのPRGだと思います。とても、まとまりがあって、短いなどと言われることもありますが、個人的にはあの長さが丁度良いです。
勇者と極道(笑)が滅多切り
このゲームの1番の魅力と言えば、これしかありません。シミュレーションRPGに動きを加えたシステムで、攻撃時にここまでやるか?と驚くくらいに殴りまくります。
タコ殴りRPGといえば古くはMDのソーサルキングダムなんかを思い出しますが、ハード力が数段上ということで、ここにきて完成された感がある。
また、動きの程度も丁度良く、プレステというハードの限界もあったかと思われますが、アレ以上無駄な動きが加わらなくて良かった。
3作目で持ち味だった滅多殴りが消えて、それぞれ単発攻撃に切り替わりましたが、これで戦闘の爽快感が格段に落ちてしまいました。それも、3がダメだと言われる由来のひとつだと思っています。
トッシュの爽快感がヤバい!!
このゲームをやっててトッシュが嫌いという人はあまりいないと思います。とにかく彼を扱った時の戦闘の爽快感が凄くて、刀(ドス?)を振り回して敵を次々と沈めていく彼の姿に、頼もしさと気持ち良さを覚えたユーザーは多いでしょう。
このゲームはキャラの喋りも持ち味ですが、トッシュは極道なのでオラオラ語で敵を切り刻んで行くんです。龍が如くにも一切負けていません。
キャラがとにかく喋る
これは、動きと共にアークザラッドシリーズの持ち味ですが、戦闘時を中心に、とにかくキャラが喋りまくります。
最近のゲームしか知らない人はキャラが喋るなんて当たり前と思うかもしれませんが、ファミコン、スーファミと見てきた世代にとって、RPGでここまでキャラが喋るのは、かなりの衝撃でした。
また、声優さんがめちゃくちゃ良くて、アークの声優はドラゴンボールマニアなので私はシャプナー(ビーデルと悟飯のクラスメイト)と言ったらすぐにしっくりくるのですが、すぐにお伝えできるような主要な役柄がなくて残念。
音楽担当のポコがサルゲッチュのスペクター、ザンボット3の勝平。ヒロインのククルは魔法陣グルグルのククリくらいしかわからないな。等々、トップクラスを控えつつ実力派を揃えた印象で、極めつけがやっぱりトッシュ。
トッシュは、私世代ならドンピシャの幽遊白書の飛影、キャプテン翼の日向小次郎、別視点でガオガイガーの獅子王凱と主役クラスもいくつかやっていて、知名度がワンランク上の声優さんを持ってきたのがデカいですね。
2では、シャアアズナブルの池田秀一さんが忍者ハンターのシュウとして参加するなど、この路線の成功がうかがえるようです。
操作も簡単でサクサク進む
ストーリーはRPGの中では短めの作品で、明らかに2の存在を意識させる終わり方なので、アークザラッドの世界観の入門編のような感じです。
戦闘システムは、従来のシミュレーションRPGに音と動きが加わったことによる爽快感、操作性も直感的な感じで、段差や投げる、キャッチを把握すればすぐに完全理解が可能だと思います。
魔法は、聖剣伝説のリングコマンドのような感じで、当時としては演出がかなり派手なので、これもかなり楽しめました。特にアークの呪文詠唱の声が素敵で、ゲイルフラッシュやバーングラウンド、トータルヒーリングの台詞は、いまだに覚えています。
一番覚えているのは『けつ出せ』ですが(爆笑)派手なだけではなく、スピード感も失われていないのも良いですね。
さらに、+αでちょっとしたやり込み要素が加えられていて、絹の帯が最初全くわからなかった…。キャッチコピーは「光と音のRPG」のようですが、光が魔法、音が会話で、ピッタリだと思いますね。インパクトの部分は十分すぎるものでした。
1と2をまたぐ壮大なやり込み要素
私のようなコレクター気質を持つプレーヤーならば見逃せないのが、アークザラッド1から2へのやり込み要素です。3では希薄になってしまい非常に残念だったのですが、アークザラッド1には当時よく組み込まれていた引継ぎシステムが採用されています。
幻想水滸伝なんかも引継ぎシステムが有名ですが、アーク2におけるアーク1の依存度は半端ではなく、主要キャラクターの強さ、持ち込みアイテム、隠しキャラのちょこと、引継ぎの有無でかなりアーク2に影響を与えてしまいます。
そこでコレクターならば思うのが、完璧な状態で1から2に引き継ぎたいというものでしょう。
これが相当大変で、完璧を目指すなら、チョンガラの店の宝箱、低レベル攻略後にネックレス仕様でレベル上げ、レベルアップ時のランダム能力アップ吟味、遺跡ダンジョンの一部宝箱保留、素早さバクを使った能力アップなどなど、とにかく頭を使ったプレイが必要です。
さらに、2でモンスターゲームなんぞ出しやがるもんだから、これでさらにコンプリートまでの時間が長くなります。まぁ、私にとってみればやり込み要素が増えるんで、嬉しいんですけどね。
確か、実家にほぼ完璧な状態のメモリーカードが残っていて、厄介なのがモンスターゲームを使って、複数のデータでアイテム管理しなければアイテムコンプリートが不可能なんですよね。
初クリアは中学生でしたが、確かヤフオクでモンスターゲームを購入して、コンプリートを達成したのは社会人になってからだと思います。
全てがパワーアップしたアークザラッド2
そして、次作のアークザラッド2になるわけですが、全てがパワーアップ、いや、パワーアップしすぎました。勢い余っちゃったのがストーリーのボリュームで、このゲームめちゃくちゃ長いんです。
おそらく、ハンターの依頼関連のサブイベントが一役買っていると思うのですが、レジェンドハンターを目指す場合は、人によっては100時間を超えるんじゃないですかね?私は、コンプリートまでを含めると200時間くらいにはなっていると思いますが。
後半はアークシリーズ好きが試される場面で、かなり間延びした感じですね。ドラクエ7のボリュームと良い勝負なんじゃないでしょうか?
ストーリー上の問題点
私は、ストーリーの良さをそこまで求めるタイプではないんですが、このゲームの場合、ストーリーがシステムに影響を与えてきて、例えば前半から中盤における、オムニバス形式のストーリーです。
具体的には、アークとエルクの邂逅から、それぞれのメンバーが分かれて各地のキメラ研究所を叩く場面なのですが、オムニバス形式って聞こえは良いですが、PRGプレーヤーに対しては諸刃の剣なんですよね。
思えば、FF6の前半、ドラクエ4全体、そしてアークザラッド2の中盤と全てしっくりきてません。特に、ゴーゲン+リーザ、シャンテ+グルガあたりのストーリーが面倒過ぎます。
反面、シュウ+トッシュはキャラクターが良かったり、屑鉄街やロマリア全体の雰囲気、BGMが良かったりで、お気に入りなんですけどね。レジスタンスが王国に反旗を翻すって設定も下剋上大好きな私としては好みです。
全員が集合して、シルバーノアで自由に移動できるようになってからは、色々なキャラを使う楽しみは増えますが、ヤグン将軍あたりからマンネリ感が…。
アンデル編のVSモンジ親分、ヨシュアとアークの邂逅なんかでやや盛り上がりを取り戻すものの、そこからは本当に淡々と進んで行きます。
終盤のロマリア攻防戦なんかも、普通にやるとかなり敵が強いですし、敵が機械みたいのばっかで、敵側への感情移入がしにくいし、戦闘が長引く。1はストーリーを凝縮した感じなので、前作に比べるとストーリーに難が目立つような気がしますね。
ストーリーの難点を忘れさせてくれる『ちょこ』
こんな感じでストーリーにやや難ありの作品なのですが、そんなことを全て忘れさせて、癒してくれるのが「ちょこ」です。可愛らしい感じのめちゃくちゃな強キャラなんですが、声優、容姿、強さ、全てがどストライクでしたね。
文句なしにアークシリーズ№1のお気に入りなんですが、3ではこの子の代わりのアンリエッタというしょうもないキャラが出た時点で超絶萎えました。まぁ、3でも登場するんですけどね。
ポケステに!!!!!…
1にも隠しキャラとして登場し、何かを予感させるものの、フリーバトル限定、台詞なしの冷遇でした。
1から仲間にしたデータをコンバートすることで、彼女の秘密を知るストーリーを体験できて、その正体は魔王セゼクの娘というIFシリーズでお馴染みのヒロと同様の王道ちゃんでした。
コンバートさせて遺跡ダンジョン深層イベントをこなした場合のみ覚醒ちょこを使えるようになるのですが、覚醒状態のヴァニッシュという特技がやばすぎます。
200~300ダメージ与えれば、相当強い今作で、500~1000ダメージを叩き出すトンデモ幼女。しかも、射程がぶっ飛んでいて、ラスボスの範囲外から攻撃可能というキチガイじみた射程(笑)。
Lv1000のカンストちょこで、ヴァニッシュを連発すると、小一時間戦ったと!!大批評を浴びたHPタンクのラスボスを数分から十数分で倒せるはずです。
もう、サニアのトランスファーとちょこのヴァニッシュがあれば何もいらないというバランスブレイカー。覚醒前の蹴り主体の攻撃もカッコよく、個人的には覚醒前の特技の方が好きですね。赤足の異名は完全にゼフより板についてます。専用装備が赤い靴だしね。
陰りの見える勇者…
ちょこやエルク、シュウと2キャラが続々と活躍するなか、前作の主人公である聖櫃の勇者アークには陰りが見えてきます。攻撃力の超弱体化に加えて、魔法の弱体化。
1の万能選手から見事に器用貧乏に成り下がってしまいました。唯一の持ち味がウィークエネミーくらいなもんで、戦闘メンバーが7人から5人に縮小した今作では、まずこのくらいの特長では使われません。
同様に今作でも普通に強いトッシュなのですが、1の頃の鬼のような強さはなくなりました。個人的に桜花雷爆斬などの決め技がかなり弱体化したのが非常に残念だった。
チョンガラは戦闘参加なし、ククルはトウヴィルで1回のみ、イーガ中途半端、ゴーゲン攻撃魔法の弱体化、と軒並み元気をなくす前作キャラにかなり萎えたユーザーは多そうです。
ぶっちゃけ、前作勢で1番使えるのはステータスアップができるポコではないでしょうか?声優も良いし、シンバル攻撃時、被弾時の台詞なんかも、ついつい使いたくなる感じです。
次世代が輝く
元気をなくした勇者一行を尻目に主人公であるエルクをはじめ、2のキャラはなかなか活躍します。前作の声優陣に加え、エルクは幽遊白書の桑原姉の静流、ガンダムWのカトルなどの折笠愛さん。
ナイーブな男性役をやらせると、めちゃくちゃ映える声優さんで、まさにエルクのキャラクターにピッタリだと思います。あの声での、敵を連続で切り刻む演出はかなり痺れます。
エルクと同じハンターで師匠のような存在である忍者のシュウは、超人気者のシャア・アズナブルの池田秀一さんです。個人的にはシャアというよりかは、クワトロの台詞と被る感じで、無理して使いたくなるくらいのシブさをかもしだしてますね~。
私でこんな感じなので、ガンダムファンなら、間違いなく彼を思い出すでしょう。そして、意外に好きなのがグルガさんで、なんかこの人の台詞聞いてると、楽しくなっちゃうし、笑っちゃう。
あと、今、調べてわかったんですけど、サニアの声優さんが「椎名へきる」さんで、この人って歌手ですよね?こんな感じで、音の部分がよりいっそう厚くなりました。
グルガ「うっしー(爆笑)」「戦士の力が」
アークザラッド2の新システム
基本的には前作を踏襲したものになっていますが、いくつか新要素が加えられました。
装備品+武器レベル
前作では装備の概念がなく、アクセサリーのみでしたが、今作でこれまでのRPGと同様に武器、防具、アクセサリーと装備の概念が導入されました。
また、武器にはレベルがあって、使い込むたびにレベルが高まって攻撃力が上がっていくのですが、これは消化不良感が否めませんね。
そもそも、序盤から中盤にかけては、それほど武器のレベルが重要ではありませんし、鍛冶屋によっていっきにレベルを上げることも可能です。
見所は、終盤の鍛冶屋で可能になる武器レベルの限界突破と特殊効果付加ですが、武器レベルの限界突破の設定が適当すぎて、限界突破できる回数をランダムしたのがもったいない。
そのせいで、これを知らずに強い限定武器を1度か2度の限界突破で、強化不可にしてしまう人も多かったのではないでしょうか。
発売前はかなり持ち上げられていた武器Lvシステム
実は、アークシリーズの存在を初めて知ったのが、アーク2発売前にゲーム雑誌にて特集が組まれていたものを読んだからでした。
その時はプレイしなかったのですが、紹介の仕方が新システムの武器Lvシステムを褒めたたえる感じのもので、当時の私もこれは面白そうだ!!と思っていたものでした。
しかし、ふたを開けてみると、期待しすぎた感じがしましたね。ぶっちゃけ、あってもなくても、良かったシステムだと思います。序盤の武器は上り幅が狭く、それほど戦闘に影響を与えないので、まぁ、邪魔をするシステムではないんですが。
ハンターシステム
2のハンターシステムが転じて、3ではよりメインシステムに絡む使われ方がしたのですが、2ではどちらかといえばミニゲーム、サブイベント的な意味合いが強いです。
どうせなら、ハンターポイントが称号に絡むだけではなく、ポイントに応じて入手アイテムなどがあれば良かったですね。砂漠の町のガンマンと撃ち合いをするハンター依頼があるんですが、アレのタイミングがシビア過ぎて発狂寸前だった記憶が…。
どちらかといえばハンター依頼よりは、ハンターシステムに付随する指名手配が面白くて、ハンター×ハンターにおけるブラックリストハンター気分を楽しめます。
結構、レアアイテムを盗めるモンスターも多いですし、こいつはどこで出てくるんだ?なんて考えるのも楽しかったです。
モンスターを仲間にできる
今作で初登場となったリーザですが、モンスターの心がわかる不思議少女です。ラヴィッシュという特技でモンスターと心を通じ合わせて仲間にできるのですが、ドラクエ5を代表するような仲間システムを連想してはいけません。
ドラクエなんかと比べると、なんちゃって感が強く、これもあってもなくても良かったですね。モンスターゲームなんかでも、序盤こそモンスターを使ってバトルしますが、後半は仲間キャラが解禁されるので、結局ちょこ+サニア無双になります。武器防具制限がきつすぎるので、結構、攻撃エフェクトがカッコよい忍者タイプを無理やり使ったりくらいしか楽しめませんでした。
それと、リーザのペットであるパンディットは特別な立ち位置なんだから、もっと強くしてほしかった。個人的には、リーザのモンスター図鑑の説明がなかなか面白くて、こっちのが楽しめましたね。
あとがき
アークザラッドの1から2への評価をしましたが、1と比べると2は難点も多く見受けられました。しかし、2が今でも名作と言われているのは、あくまでも1のインターフェイスを踏襲し、ボリュームアップというかたちでのみ対応した部分が勝ったのだと思います。
それだけ1のシステムが完成されていたということですが、この変えて良い部分と変えてはいけない部分、ここは現代のゲーム全般にもぜひ見習ってほしい部分ですね。
実際に、3ではそのインターフェイスに大幅に手を加えて、行き場を見失い、精霊の黄昏なんかは、もう酷すぎて目も当てられないレベルです。
といっても、精霊の黄昏はプレイしていなく、プレイ動画や説明などを見て、これはもうアークシリーズではない!!とプレイを断念しました。
3はアークザラッドの冠を除けば、割とよくできたゲームですので、精霊の黄昏もそう言えるのかもしれませんが、忘れちゃならねえのが、これはアークザラッドだっ!!ってことです。
個人的な評価としては、1は名作、2は良作って感じですかね。ただ、アーク2のプレイ時間は全ゲームの中でもトップクラスだと思います。
けつ出せ!!