スーパーロボット大戦IMPACT 評価レビューや思い出 【昨今のスパロボを成敗ッ!!】

myスーパーロボット大戦ナンバーワンは、どの作品か。以前より、IMPACTとαが脳内で大激戦を繰り広げていましたが、ここ最近ようやく結論めいたものが出て、IMPACTこそがナンバーワンなのではないか。

IMPACTは、世間で評価が分かれる賛否両論の作品で、ドラクエ7しかり、FF8しかり、私ってこんな作品にとっても縁があります。

IMPACTの賛否両論はCOMPACT2の存在

IMPACTが賛否両論を巻き起こした理由が、COMPACT2の存在です。COMPACT2は、3部作になっていて、これを1つにまとめてプラットフォームをプレステ2に移行したのがIMPACTです。

メインタイトルでは、おそらく初のプレステ2参戦で、スーパーロボット大戦はグラフィック要素がゲームのデキに色濃く反映されるタイプのゲームのため、当然ファンの期待も大きかったのではないでしょうか。

この時期のスパロボは、まだまだFくらいまで続いたディープユーザー向け嗜好が続いていたこともあり、結構なファンがCOMPACT2を体験していたかもしれません。

しかし、このCOMPACT2って、実は幻の機体(笑)ワンダースワンなんですよね。私はもちろんプレイしておらず、このCOMPACT2のプレイの有無がユーザー評価が大きく分かれた要因のひとつでしょう。

3部作を凝縮したため、とにかく長い!!

もうひとつの賛否両論のワケは、とにかくストーリーが長い点です。上で紹介したようにこの作品は3部作をひとつにまとめたゲームなので、当時のスパロボの1.5倍から2倍はあろうか?というボリューム。確か裏面の逆襲のシャア編を合わせると100話を超える大作なはずです。

加えて、1部、2部は基本的にガンドールの葉月率いる地上部隊とシリーズお馴染みのロンド・ベルのブライト・ノア率いる宇宙舞台と、別動隊で展開していくため、1部で強くしたキャラは例外を除いて、両部隊が合流する3部まで使えません。

また、2部の主力となるのが1部を飾るヒーロー色ゆたかな面々とは違い、射撃でチクチクとダメージを与えるガンダム系ユニットがメインなので、とにかく地味です。実質レベルリセットと2部の中だるみ感が、より今作を長く感じさせる要因だと思います。

1部の完成度はかなり高いと思うので、個人的には地上編と宇宙編を逆にすれば、少しは評価が変わったのかもしれない、などと思っています。

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スパロボのメインタイトル作品としてはシステムに数々の変化が

メインタイトルだけ追いかける場合は、前作はαになるかと思います。私も前作がαで、αと比較して、大きく変わったのが援護攻撃と援護防御でしょう。

さらに、キャラ能力カスタマイズシステムが導入されていて、ニュータイプや聖戦士といった固有能力を除き、ストーリークリアのターン数に応じて手に入るボーナスなどを使って、能力のカスタマイズが可能です。

また、前作までは熟練度が高い方が隠しユニットや良い強化パーツを手に入れられましたが、今作では逆に熟練度が低い方が強いユニットを手に入れやすく初心者救済の意味合いで強いユニットが配られるようになりました。

そして、この初心者救済で配られる『νガンダムHWS』『フルアーマー百式改』が異常に強く、熟練度パーフェクトを目指したユーザーは泣かされたことでしょう。

弱いユニットほど強い?

これはIMPACTの持ち味だとも思っていて、今作では弱いユニットほど改造回数が多く設定されています。

さらにハロやサイコフレーム以上に重要なパーツであるV-UPユニットのW(ウエポン)とU(ユニット)でも弱いユニットが優遇され上昇率が高く設定される傾向があります。

加えて、弱いユニットは装備できる強化パーツの数も多いので、4つV-UPユニットを付けると、火力や能力が恐ろしいことになるのです。手塩にかけたキャラやユニットが強いボスを討ち滅ぼす。

これはある意味RPGの醍醐味であって、今作までは輝きもしなかったユニットが単機で敵軍勢を撃墜する姿は頼もしいものがあります。

そのため、本当はボリュームさえコンパクトにできていれば繰り返し遊べる作品で、「今回はこのユニットを中心に育てて行こう」だとか、「そういえばあのユニットは今まで使ったことがなかったな」。なんて遊び方もできたはずなのです。

G3ガンダムとコアブースターが異常に輝く作品

スパロボFのアムロやカミーユを乗せたスーパーガンダムを彷彿とさせる活躍を魅せるのがG3ガンダムとコアブースターです。

G3ガンダムは地上編で手に入る隠しユニットなのですが、ガンダムハンマーの燃費がヤバすぎて、P攻撃かつ射程が長く、上のように弱いユニットに該当するため、フル改造で恐ろしく強くなります。

3部では、やや陰りを見せるものの2部後半で手に入る隠しユニットのコアブースターがその座を引き継ぎます。

コアブースターは入手から最後まで強力なユニットとして活躍してくれて、感覚としてはEN10でF完結編のF91フル改造ヴェスバーを乱発できるような感じです。

アムロやカミーユ、クワトロといったニュータイプのエース連中を乗せれば、クリアだけなら単機で十分なほどの凶悪ユニット。

G3ガンダムとコアブースターが過去の作品にどれだけ出てきたか知りませんが、おそらくここまでメインユニットとして使われるのは異例ではないでしょうか。

熱血、魂の倍率変化

これ意外に大きいと思うんですよね。好きなロボットで敵を圧倒したい私のようなプレーヤーからすれば残念な部分です。援護攻撃を加味しての調整でしょうが、αに比べると与えられるダメージがかなり違って、なんか損した気分になる(笑)。まぁ、αの龍虎王の捨て身とかがヤバ過ぎたんですが。

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スーパーロボット大戦IMPACTの良かった点

システムの良し悪しの境界

これは援護攻撃と援護防御を指しているのですが、スパロボ従来のシステムに追加する限界がこのくらいだと思います。後の作品には、さらに派生した小隊システムが追加されましたが、このシステムはスパロボをつまらなくした元凶だとも思っています。

また、特に1部に該当するのですが、援護攻撃を加味した敵ボスユニットのHP調整が秀逸で、後一発のパンチが欲しいところで援護攻撃してもらうと丁度落とせる場面がとにかく多いです。

スパロボ攻略を突き詰める場合は、敵を撤退させずに倒すことが重要で、そのシステム非常に相性が良いと思いました。逆にこの後の作品は、そのHP調整が適当ですね。初回プレイでの1部での攻防は、ほんとに頭を使って楽しませてもらった気がします。

さらに、今作では特殊技能カスタマイズにとどまったシステムですが、後の作品ではパイロット能力までポイントで買える、さらに派生したシステムが生まれました。

これがキャラのオリジナリティを損なわせて、好きなキャラを強くできるのも行き過ぎは良くないんですよね~。そんな意味でスパロボシステムの境界値付近がIMPACTというわけです。

サウンドが良い

スパロボサウンドを語る上で欠かせないのがαとIMPACTです。αはTIME DIVERやMARIONETTE MESSIAH、「この星の明日のために」などなど突出した曲が多いイメージで、逆にIMPACTは平均的に曲の質が高いイメージ。

特にマップBGMには秀逸なものが多く、勝利者への機構なんかはかなり好み。スパロボのストーリーは、基本的に癖の強い機体やパイロットが多く在籍する少数部隊が成り上がっていくことが多く、そんな成り上がりヒストリーにピッタリなBGMばかりです。特に1部はその色が濃いですね。

参戦作品のアレンジにも秀逸なものが多く、アレンジ面では圧巻の飛影見参。さらに、マイナー作品の「いつか空に届いて」「嵐の中で輝いて」も良い味出してます。

Ez8なんかの活躍は、BGMの「嵐の中で輝いて」が素敵なので3割増で活躍しているように見えます(笑)。あと、G3のBGMに「いつか空に届いて」が採用されているのも大きくて、心地良いプレイができました。

「ポケットの中の戦争」のクリスとバーニィは、顔見知りではあるものの、これまでの作品では使われなかったキャラの代表格でもあります。

個人的には、今作のBGMやバーニィの奇跡の核(アトミックバズーカー)に後押しされるかたちで、このキャラたちの株が上がりました。

主人公の立ち位置が絶妙

主人公のナンブ・キョウスケの立ち位置は結構好きでした。これまでの主人公は、どこか部隊の中でも飛び抜けたイメージですが、この人はチームプレイを重視するという感じで、良い意味で地味ですよね。

恋人のエクセレン・ブロウニングとは対照的で、機体のアルトアイゼンなんかも、ガンダムにおけるオールドタイプを彷彿とさせる戦術っぽく、いぶし銀って感じですかね。

そんな意味では、せっかくノリス・パッカードも出てきたことですし、ランバ・ラルあたりとの共演も見てみたかった。

エクセレンも声優がかなり良いんで、使いたくなるキャラではあるんですが、いかんせんヴァイスリッターが弱すぎます。ライン・ヴァイスリッターも真ゲッターとの二択なんで、途中退出をしたりと、色々な意味でプレーヤーを悩ませる御姉様ですよね。

マシンロボの演出がにくい

マシンロボ クロノスの大逆襲は、今作で初めて使ったのですが、ロムストールのゴッドハンドスマッシュが中二病には辛すぎた。

この作品、ロボットはめちゃくちゃカッコ悪いんだけど、キャラの台詞がイカしてて、ゴッドハンドスマッシュならHPを0にすると特殊演出が入って、あのボイスで「成敗ッ!」が聴けるんですよね。

ゴッドハンドスマッシュ自体もタコ殴りっぷりがカッコよくて、ザンボット3のグラップコンビネーションと同じくらい無駄に乱発した技です。

あと、ジェットの台詞も癖になる感じで、搭乗時に無駄に「ジェッ~ト」とか抜かすからね(笑)。家族の前でゲームしてる場合は恥ずかしすぎ。特にお気に入りは「重ねかまいたち」で、「先に仕掛けるぜロム」は、ほんと何度聴いたかわからない。てか、BGMも結構良いよね。

あのマスターアジアが再登場

東方不敗が最終奥義でお馴染みのマスターアジアさんですが、F完が初参戦の私からすれば非常に嬉しかった。F完の強さはなかったものの、石破天驚拳、十二王方牌大車輪、超吸覇王電影弾ボイスが聴けたので大満足。

強いて言うなら、風雲再起を味方ユニットとして使いたかった。ドモンorマスターアジアで騎乗を選べれば良かったし、精神コマンドも独立していればもっと良い。

話は変わるけど、私の中で使うと恥ずかしいユニットってのがあって、その初代がシャイニングガンダムのシャイニングフィンガー。そして、2代目がバイカンフーのゴッドハンドスマッシュ。

そして、3代目がガオガイガーのヘル&ヘブン。ヘル&ヘブンは技よりも、あのBGMがめちゃくちゃ恥ずかしい。

緻密なやり込み要素

IMPACTはスパロボシリーズのやり込みの中でも特に楽しかった記憶があります。

この作品をやり込み要素は、主に低ターンクリアによる特殊技能取得、イージーモードとハードモードをいつでも切り替えられるよう話数÷2程度の熟練度を維持、最終ステージで2週目のための資金稼ぎ、といったものです。

特に1週目の1部は熟練度と低ターンクリアの兼ね合いが難しく戦略性が問われます。限られた資金でどのユニットのどの部分を改造すれば良いかなんてのが面白かったですね。

逆に2週目は慢性的な資金難から解放され、最初からどんどん強ユニットを改造していけます。1週目の1部は統率と援護攻撃の使いどころも難しく、1マス1マスの攻防を感じさせますね。

欲を言えば、2週目に資金繰越し以外の何らかの特典を設けて欲しかったというところ。第三次αほど欲しいとは言いませんが。

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気になるキャラ紹介

剣鉄也

今作では「頼りになる男」が非常に強調されている。1部でのアルトアイゼンの切り札とグレートマジンガーのグレートブースターのコンビの信頼度は異常で、撤退の可能性のあるほとんどの強敵は、このコンビネーションの前に無残に朽ち果てる。

1部ではマジンガーZが宇宙に上がることになる可能性が高く、宇宙でもそこまで目立った活躍をするわけではないので、今作は特に鉄也さんの兄貴色が強い。まさに、必殺仕事人。

神勝平

サルゲッチュのスペクターの声優さんと同じということで、よく使っていたキャラ。ザンボット3のグラップコンビネーションの台詞が好きで、かなり高頻度で放たせてもらった。ざ、ざ、ザ~ボット♪♪、ざ、ざ、ザ~ボット♪♪

フルアーマー百式改

超強ユニットにもかかわらず、2部の比較的早い段階で手に入るため非常に心強い。個人的にはシーブックに乗ってもらうことが多かった。どうもF91はF完結編に比べると弱体化したような。

アレンビー・ビアズリー

F完結編のバーサーカーモードのイメージが非常に強かったので、こんな元気印な娘さんだなんて知らなくて印象的だった。ノーベル、フラフゥープゥの台詞がめっちゃ好き。あと、BGMも良いんだよね。

ズワァース

今作では、オーラバトラーのズワァースがとてもカッコよく描かれている。オープニングデモにズワァースが戦うシーンがあるが、まさかサーバインの登場か?なんて思ったものです。

弱い機体に該当するため、改造回数が多く、V-UPユニット優遇も大きいので、最終的にはオーラバトラー中、最高の威力でハイパーオーラ斬りを放てる。もう少し射程を補える武器があれば、もっと強かったろうに。

コンバトラーV

手に入れてからは必ず使っていたロボット。5人分の精神コマンドを使えるのが大きく「ちずる」のおかげでサポートもしっかりとこなせるので、非常に頼れる存在。

戦力としても超電磁ヨーヨーが使いやすく、トドメのグランダッシャーと超電磁スピンもあるので、かなりの戦力になる。αやFの完結編では、ほとんど使わないユニットだったのでかなり見直しました。

ダンガイオー

毛利小五郎がサイキック斬を放つという粋な演出(笑)。ミア・アリスの奇跡のおかげで、サイキック斬は最高火力を出せる武器のひとつに。また、スパイラルナックルも使い勝手の良い武器で、あまり好きなロボットではないが、普通に強かった。

ライディーン

旧シリーズでは、あまり使わなかったキャラ。ゴッドゴーガンが意外に便利なのと、MAP兵器のゴッドボイスがかなり有用。そんな意味でIMPACTは普段あまり使わないキャラやユニットをよく使った記憶が。

ジェリド・メサ

地上編では非常にガッカリさせられたキャラ。旧時代の伝説『ジ・O』が登場する場面で、まさかパプテマス・シロッコ様のご搭乗か?から~の、カトンボでした。お前はジ・Oに落とされる側の人間なはずだろ感が凄くて超絶なえた。

シャピロ・キーツ

Fシリーズやαシリーズでムゲ・ゾルバドスが出現しないので、ずっとバンプレストオリジナルキャラだと思っていました。

今作で初めてダンクーガシリーズのキャラであることを知って、αでも沙羅とのなんやかんやのエピソードがあったはずなんですが、私ってあんまりスパロボのストーリーを読まない人間なんで。だって、F完結編の最後でヴァルシオンに乗ってるやん。

イルボラ・サロ

ジョウにご執心のロミナを見てられなかったのか、相手側に寝返り、ことあるごとに「ジョウ、お前さえいなければっ」と、ほざく憎めない人。この人はめちゃくちゃ声が良いよね。

ちなみにZZのマシュマー・セロの声です。セロとサロ(笑)、調べてみるとナルトのペイン六道なんかもやってるみたいですね。

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スーパーロボット大戦IMPACT【総評】

まず、巷で言われているネガティブ要素が私に無関係だった部分が大きかったです。私くらいのゲーマー(暇人)に、100時間というプレイ時間は特段長すぎることはありませんし、COMPACT2も未プレイのため、その影響も受けませんでした。

現状維持が大原則の私にとって不安要素となる援護システムも、ほど良く既存のスパロボシステムに馴染んでいましたし、システム面で残念だったことと言えば、お馴染みの2回行動がなくなったことですかね。今作ではCPU時の飛影専用の技能になってしまいました。

また、今作ではそれほど突出したユニットが存在せず、コアブースターが強いといっても、それはあくまでもこの面子だから輝いたという感じです。

そのため、チームワークという部分が強調される感じで、それにより援護攻撃や援護防御がさらに映えたような気がします。

実際プレイしてみて、ライディーンやコンバトラーV、ズワァース、バーニィといった前作までは全く使わなかったキャラにスポットライトがあたっている部分を考えても、知らず知らずのうちに製作陣の意図に上手く乗せられたのかな?なんて思います。

そんな意味では、ストーリーの長さこそありますが、システムのバランスは非常に良い作品だと感じました。

難易度はαよりも難しく、Fシリーズよりも簡単。これまでの経験から、実はこの程度の難易度は、スパロボで一番適度な難易度なのではないか、とも思っています。

参戦作品にも隙がない感じで、今作は必要ないと思える作品が全く存在しません。個人的に、エヴァンゲリオン、ガンダムW、エルガイムなんかの参戦を期待しましたが、ナデシコがポストエヴァで十分活躍していましたし、ガンダムWも世界観的にあまり合わないような気がします。

エルガイムも後のメイン作品で沈黙を続けたように、なかなかこのストーリーに絡ませるのは難しいんじゃないでしょうかね。

飛影、マシンロボと初参戦組も奮闘していましたし、何より第08MS小隊、ポケットの中の戦争にも、しっかりスポットライトがあたっているのが良い。

逆に今作ではニュータイプ勢の存在が前作までに比べると薄いような気がして、戦闘ではいやがおうにも活躍してしまう連中なので、ストーリーの組み立て方としては影が薄いくらいが良いのかもしれませんね。

隠し要素も満足だったのですが、欲を言うならば、サーバインを出して欲しかったのと、事故前のアキトをブラックサレナに乗せるなんてことをして欲しかった。