ティアリングサーガ 評価 裁判沙汰の話題作 アーカイブスでダウンロード切望

ティアリングサーガの評価レビューと思い出。任天堂と裁判沙汰にまで発展した問題作だがS・RPGとしては良作。PSゲームアーカイブスでダウンロードできないのは大人の事情? エムブレムサーガやってみたい(笑)

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RPG好きはFEよりティアリングサーガ

ゲームジャンルの中でRPGが1番好きな私からすれば、FEシリーズよりティアリングサーガの方が圧倒的に面白く感じましたね。

FEシリーズは、ほとんどプレイした事がなく、ジェイガンが序盤でお助けキャラとして登場するSFCの作品以外はやった事がありません(笑)。その作品も序盤で止めてしまいました。

あと、フジタの動画でSFメモリカセットガチャの回があるんですけど、「トラキア776」ばかりが出て、妙に印象に残ったというのはありました。

そもそも純粋なS・RPGはあまり好きではなく、スペクトラルソウルズ、ラプソディア、ラングリッサーシリーズなどなど、育成に重きを置いたタイプのゲームに好みが偏っています。

ホームズ隊が私にピッタリ

ティアリングサーガは、FEシリーズにおける本編に該当するリュナン軍と、育成要素満載のホームズ隊に分かれています。

この2部隊をストーリーの進行状況に応じて使い分けていくのですが、物語の中には、リュナンとホームズがクロスする編成というタイミングが3回あります。

つまり、ホームズ隊で育てたキャラをメインストーリーのリュナン軍に送る事ができ、逆に弱いキャラをリュナン軍からホームズ隊に左遷(笑)させたりもできるのです。

とは言っても、最終的にはリュナン軍もホームズ隊もフィナーレに絡んでくるんですが。

リュナン軍のシナリオは、S・SPGの中でも難易度は控え目です。そのため、淡々と進行していく感じで、それほど印象に残ったわけではありません。

しかし、冒険の自由度が高いホームズ隊は、レベル上げ大好きの私にピッタリでした。難易度は、リュナン軍に輪をかけて低く、終盤を除き平和ボケした感じのストーリーです。

また、闘技場やモースの塔、レアアイテムドロップなどお楽しみ要素も豊富で、RPG好きのツボを押さえた作品になっています。

異常に設定が凝っておりキャラが立ちまくる

私がティアリングサーガを好きな理由の1つがこだわりの設定とキャラゲー並に個性豊かなキャラクターたち。

時代背景やキャラのバックグラウンドの設定が膨大で、1度プレイしたくらいでは、ほぼ把握できません。

また、ゲームの舞台となる時代の数十年前に発生したレダ解放戦争で名を上げた12英雄の血縁が本編にねちっこく絡んでくるので、仲間や敵に親戚が多いです。

なので、「あっ、こいつらって兄妹なんだ!!」みたいな発見がニューゲームのたびにありました。特にストーリーの会話を飛ばすのが大好きな私は、5~6回くらいやって、全容を把握したという感じです。

また、ナロンのようにエンディングで思わぬ伏線が登場するキャラもいるので、周回プレイにも耐えうる内容ですね。

このような練り込まれた設定の舞台で、魅力的なキャラたちが活躍するのが、ティアサガの大きな魅力だと思います。

しかし、キャラが魅力的と言っても、幻想水滸伝のように感情移入できるキャラって、あんまりいないんですよね。個性的な割にさっぱりしているというか。

そのため、設定やキャラに凝りつつも、プレーヤーの本分である物語を俯瞰するという事がしっかりとできる作品だとも思いますね。

奥深い育成要素

一般的なRPGと比べても、育成要素はふんだんですね。例えば、武器をリペアハンマーで修理しつつ利用し続けていると必殺率が上がっていくなんて設定も良かったですね。

また、少しやりすぎな気もしますが、武器、地形、対兵種にそれぞれ熟練度が設定されており、命中と回避率に最大で75%の差が出たりもします。通常攻略では、ほぼ無双。

他にも「踊る」や「歌う」に隠し効果があったりと、純粋なRPGのような楽しみ方ができました。

尽きない対戦考察

これ1番好きな部分かもしれません。ティアリングサーガは、エンディングでセーブしたデータを使い、対人戦を楽しめます。

しかし、様々な配慮のなさにより、完璧に仕上げたデータを作成しようと思ったら、1000時間を超えるプレイが必要でしょう。さらに、その過程の考察を含めると、プラス数百時間はくだらないかもしれません。

私も完璧なデータを作成した事はないんですが、今では対戦考察こそティアリングサーガの妙味と割り切って、楽しんでいます。

その様は、このサイトのティアリングサーガ攻略のページをご覧いただけるとわかるかと思われます。

どちらにしても、チートを除けば、ティアリングサーガの完璧に仕上げたデータを持っている人って、ほとんどいないのではないでしょうか?

このように考察までで終わっている事からもわかるとおり、非常に惜しいシステムになっているんですが、各武器のバランスをしっかりと設定してほしかったですね。

対戦に限定すると、斧が不遇すぎて、ガロやサムソン、バーツといった斧しか使えない連中は、全くと言っていいほど見どころがありません。

さらに、槍があまりにも優遇されている、というよりか「☆サリアの槍」の性能があまりにも異常すぎる。

あとは、セネトやティーエ、アフリードなんかも、しっかりと育てられるようにして欲しかった。セネト率いるカナン解放軍の面々のほとんどが仲間にならないのも残念ですね。

というか、仲間キャラよりも、テムジンとかカティナとかシルヴァとかリチャードとかの方が魅力的だったような…

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ティアリングサーガの気になる点はリュナン編のストーリーの希薄さ

リュナン編の影が薄すぎる点が気になりました。RPG好きからすれば、ホームズ隊に費やす時間が圧倒的に多いので、ストーリー本編がどうでもよくなりがちです(笑)

設定こそ凝っているものの、ストーリー自体は特別秀逸な感じでもなく、はっきり言ってあまり印象に残りません。

個人的な印象としては、ウエルト王国編にストーリーを割き過ぎた気もします。リュナン編全20話のうち1/3を使っているわけですからね。

いくらウエルト王国を治めるロファールが大陸6英雄に数えられているからといっても、多すぎな気がします。

ジークと色恋沙汰のあるケイトやロファールの娘サーシャは良いとしても、その他のウエルト勢は、リーヴェリア大陸本土に渡ってから空気すぎます。

また、面白いのが劇中の一幕でウエルト出身のライネルとノートンが自分たちの影の薄さを語るという…ある種のメタ発言です(笑)

メルとマルジュも元カナン神殿の神官長エーゼンバッハの孫である事から、大陸と所縁はあるものの、そこまでそれが協調されておらず、ストーリーに絡みきれてないですよね。

さらに、マルジュは「☆ヴンダーガスト」というゴミ魔導書を託されるわ、メルはロジャーとイチャイチャしっぱなしだわ…

なので、ウエルト王国編をもう少しコンパクトにして、構想段階で没になったセネトのエリアル編なんかを描き、各キャラ同士の人物相関を深める段階があれば良かったですね。

ただし、エリアル編があまり描かれなかったからこそ、レダの古城で邂逅したカナン解放軍のメシア感が最大限に研ぎ澄まされたんだと思いますが。

ホームズ隊の難易度的には決して全く難しいマップではありませんが、なぜかセネトたちの圧倒的な実力の前に、救われた感が演出されてしまいます。

あと、ラゼリアの太守がレンツェンハイマーなのも痛いですよね。見事なクズっぷりを発揮するキャラで、リュナンではなく、ヴェガかジュリアに討たれてしまうというのも小物臭が凄い。

なんか全編を通じて魅力的な敵キャラって、バルバロッサとエルンスト、ジュリアスくらいしかおらず、完全な敵役欠乏症ですね。

ラゼリアの守備に就くのがバルカ王子ならまだ良かったんじゃないでしょうか? リュナンに敗戦後カナンまで退き、バハヌークに引導を渡すというストーリーでも自然な気がします。

エルンストとバルバロッサって、幻想水滸伝ならゲンカクやハーン・カニンガム、アイン・ジードというポジションかと思われますが、ジュリアスやバルカが逃げ腰なせいで、なんか無駄死感が半端ない。

まぁ、このバルバロッサとの一戦はリュナン軍の名勝負数え歌にも名を連ねるんですが、ここではジークとナロンの存在がダメにしてる。

というのも、前半リュナン軍の助っ人として仲間になるスパイのジークが強すぎます。難攻不落のバルト要塞を1人で陥落させてしまいますからね(爆笑)。

もう、バルト戦役で瀕死の重傷を負ったロファール王や戦死したマーロン伯の長男は何だったんだ?という感じですよね。ちなみに、リチャードと父親も参戦しています。

それと、慣れたプレーヤーは、第一回編成で大半のキャラをホームズ隊に送るので、あまりにも少数精鋭すぎて、解放軍VS帝国の構図が少し幼稚に感じてしまうんですね。

なんか、三国無双の一騎当千感が過ぎる感じ? 赤兎馬と呂布で全武将を倒すとか、興奮はするものの、酷く非現実的過ぎてふと冷めるみたいな(笑)

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好きなキャラランキング

レオンハート

草原の狼の異名を持つセルバの太守で、本名はライゼル。ホームズ編でのホームズとのやり取りが好きだったんですが、エンディングでのバーツへの寛大な措置で、より好きになる。

子供を身籠った恋人をさらわれるという悲劇の過去を持つ人物ですが、後にその傷を癒す存在であるレネと出会っており、その関係性も素敵です。

サン

キャラゲーのお約束とでも言いましょうか。人気を取るべくして生まれたキャラといっても過言ではないですよね。

リュナンにとっては敵国になるカナンの血筋で、カナンの盾「バルバロッサ」の孫であり、アーレス黒騎士団隊長「シルヴァ」の娘。

ナロンの次にクラスチェンジで大化けするキャラで、その強さとハツラツとした性格で、ヒロインを地で行く存在。

テムジン

レダ解放戦争で活躍した12英雄に数えられる。6勇者の中でも圧倒的な人気のようで、難攻不落のエリアル砦を解放した過去を持つ。

セネトとネイファにとっては、義理の祖父にあたり、カティナは娘。カティナの夫サムソンを次期国王に推しているようだ。

レダの古城で圧倒的な強さを見せつけられたのもあって、ゾーアの暗黒剣士ヨーダが噛ませ犬になってしまう…。イルの村での加入の際は、「お前かよっ!?」と突っ込んでしまったプレーヤーも多数いたとか?

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任天堂との裁判に発展し悪い意味でも有名な作品

ティアリングサーガはリアルタイムでプレイしており、中学生から高校生くらいの時期だった事もあってか、任天堂と裁判をしていたなんて全く知りませんでした!?

本作のゲームデザインを手掛けた加賀昭三氏の古巣はインテリジェントシステムズです。この会社の代表作が、今や巨大IPにまで成長したFEシリーズです。

HAL研やゲームフリークをはじめ、他人のふんどしで相撲を取るのが大得意な任天堂さんのセカンドパーティーという事で、優秀な会社だったんでしょう。

それはそうと、裁判に至った経緯としては、FEシリーズとの類似点や発売前の広報の仕方がまずかったみたいですね。

私はFEシリーズに詳しくないため、類似点の詳細はわかりませんが、著作権侵害については最終的に認められなかったみたいです。

結果的にエンターブレインが任天堂に7600万円の賠償金を支払う事で終結したようで、FEシリーズとの関連性を示唆するような宣伝方法が違法と見なされたようです。

ファンにとってはどうでもいい

FEシリーズよりティアサガの方が好みの私にとっては、どうでもいい争いなんですが、ゲーム会社から優秀な人財が流出して会社を立ち上げるというのは、ある意味リスキーですよね。

ネット上では、この任天堂の対応をゲームハード戦争にまつわる見せしめ、なんて憶測も飛び交っていますし…

例えば、コナミを退社したゲームクリエーターの村山吉隆氏は、決して円満退社と言える状況ではなかったのかもしれません。

彼がディレクターやシナリオライターとして開発に携わった幻想水滸伝1~3の正統な後継作品が今だ発売されていない事を考えると、ティアリングサーガを巡る加賀昭三氏と任天堂の抗争には思うところもあります。

ゲーム会社VSクリエイターという構図において、過度にゲーム会社が権利を主張する事は、ゲーム業界の衰退を助長するという点については間違いなさそうです。

それはそうと、当初予定していたタイトル名「エムブレムサーガ(爆笑)」の画像なんかを見てみると、なかなか面白そうです。

ゲームアーカイブスからダウンロード可能?

プレイステーションのゲームアーカイブスを確認してみましたが、どうやら配信されていないようですね。やはり、問題作でもあるので、色々と厳しいのでしょうか?

個人的には、プレイステーションミニに収録して欲しい感じで、プレステミニならゲーム中にクイックセーブが可能になるようですからね。

ティアリングサーガはプレステのゲームの割に乱数調整が容易なので、クイックセーブを使えるとゲームが劇的に変わります。特に対戦を前提としたデータづくりの際には非常にスムーズになります。

まぁ、ソフト自体は安価で中古品が販売されているので、エミュレーターを使えば良いだけなんですが。

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ティアリングサーガ【総評】

物語の本編であるリュナン編のストーリーには、やや気になる点を残すものの、練り込まれた設定や総勢50名以上にもなる魅力的なキャラクターが織りなす人間模様は良作と言える。

また、RPGファンのツボを知り尽くしたと思わせるシステムの完成度も高く、細部にまで及ぶ配慮を感じさせた。

プレイステーションのS・RPGをそれほどプレイした事はないが、キャラの立ち具合ならサモンナイト超え、面白さ(RPGフリーク視点)ならスパロボ以上と言えるのではないだろうか。

初代プレステに限定すれば、ブレスオブファイア4とティアリングサーガが圧倒的なプレイ時間を誇る。