フェーダとの出会いを語る上で、切り離せないのが玉木美孝さん。クライマックスシリーズの名物絵師さんで、ウィキペディアで彼を調べたのがきっかけでした。ちなみに現時点で、まともにプレイしたRPGの中では、一番新しいゲームです。
玉木美孝とフェーダ
正直、玉木美孝さんがこの作品を担当していなければ、プレイは実現しなかったでしょう。
シャイニングフォースに育てられたといっても過言ではない私にとって、玉木美孝さんの絵の影響は非常に大きく、SFやランドストーカーで描かれていた、人間と亜人種との共存をしっかりと受け継いだグラフィックです。
劇中には、玉木美孝フリークの私だからこその感情の発露がたくさんあって、「このキャラはSFで言うところの○○だな」、「この没キャラのフライデーって、もしや!?」みたいな感じで、ひとり盛り上がりながらプレイしたのを覚えています。
リブラ値に対する不満
説明書なしのプレイかつ珍しく攻略サイトも利用しなかったので、恥ずかしながら、リブラ値の意味を知ったのは、クリア後に攻略サイトを漁った後でした。当然、レベル上げ大好きの私のことなので、ガチガチのカオスプレイ。
リブラ値というのは、ゲーム中で計算されている隠し数値で、戦闘におけるミッションクリアや戦闘中の行動によって変動していきます。
リブラ値は、カオスとロウ(LOW)を一本の線で結んだもので、中立ユニットや敵を倒しまくるとカオス寄りに、ミッションに忠実かつ無益な殺生を避けるとロウ寄りに数値が加算されていきます。
当然、難易度は行動が制限されるロウ寄りの方が難しく、破壊の限りを尽くしてレベルを上げまくれるカオス寄りでは、あの低難易度で有名なシャイニングフォースよりも簡単になります。
リブラ値をロウ寄りにするメリットは、ロウモードでしか加入しない仲間が存在する点です。しかし、逆にカオス寄りでしか仲間にならないキャラもいます。
フェーダは、全編を通じて楽しめた作品ではあるのですが、唯一の欠点がオリジナルシステムのリブラ値かと思っています。
このゲームをプレイするきっかけが私のように玉木美孝さん、という方は多いような気がしていて、それだけメガドライバーにとっては絶対的な存在なんです。
そう考えると、本作がSRPGということもあり、シャイニングフォースシリーズ経由でフェーダをプレイするはずです。シャイニングフォースといえば、リターンを使って、好きなだけ各章でレベル上げができ、弱いキャラで敵を蹂躙するというのが何よりも楽しいゲームなのです(笑)。
そんなイージーモード大好きユーザーにとって、リブラ値による制約は、ストレス以外の何者でもありません。
特に問題なのが、せっかくリブラ値をロウよりにして、仲間を増やしても、ロウモードでしか仲間にならないキャラは、一部例外を除いてカオスモードで強制離脱状態になってしまいます。
リブラ値を理解していない初回プレイの私にとって、まさに青天の霹靂で、シェーンが突然消えて数時間程度を浪費しました。
知らず知らずのうちに撃墜されたのか?まさかバグか?などなど、様々な考察の末、あきらめて続きをプレイしたから良かったものの、一時はニューゲームを考えたくらいでした。
リブラ値と対価
思うにリブラ値が失敗した理由は、リブラ値の調整に対してのご褒美が少なすぎたんだと思います。
例えば、リブラ値を中間付近に維持しながら、時にカオス寄り、時にロウ寄りで、メンバー加入のフラグ回収なんかをできれば、別視点からの戦略性が加わり、もっと面白くなったはずです。
特に、リブラ値による称号にそぐわないメンバーが有無を言わさず、強制離脱というか、無言で消えてます(笑)、これが致命的だった。
SFシリーズからの正統派生「必殺技」
SFシリーズの戦闘システムを、もう一歩前進させるならコレしかないでしょう。
それを見事にやってくれたのが必殺技の導入で、主人公であるブライアンをはじめ、相方のアイン、ライルあっ!!違った(笑)スティンガーなどなど、必殺技持ちのキャラクターがたくさんいます。
シャイニングフォースなんかは、リメイクの黒き竜の復活が後にアドバンスで発売されるので、逆輸入してぜひ導入して欲しかったシステムですね。
ザッパ様やバリュウ、アダムなんかが新たな必殺技を携えて、画面上で暴れまわる姿を想像しただけでワクワクしてしまいます。
私的感情の発露 フェーダのキャラクター紹介
玉木美孝さんがグラフィックを担当しているので、キャラクターにSFシリーズやランドストーカーとの類似点が多くあります。ぜひ、その類似点を交えた上で、キャラクター紹介をしていきたいので、お付き合いください。
アイン・マクドガル
ハイ、この人はウルフリングのザッパ様しかいねえよぉ~。主人公の相棒なのですが、爪ではなく、刀を使います。
狼というよりかは、犬っぽい外見で、必殺技の峰月斬にはお世話になりました。非常に強力なアタッカーかつ刀使いということで、SF2のジッポ君を彷彿とさせることも?
ドーラ・システィール
初期メンバーのひとりで、アインの恋人?アインが怪我した際には、主人公に盾突く場面もあったので、やっぱりそうなんでしょう。ボウガン使いなのですが、種族がフォックスリングということで、やっぱり雷神アレフ姉さんを思い出します。
SFにおけるアーチャーですが、間接攻撃ユニットとしては非常に優秀です。しかし、中盤までは活躍するものの、後半は速攻主体のメンバーの陰に隠れて、戦闘があらかた終わった後に、最前線に到着するというお茶目でガンツ(笑)な一面も。
ダン・ダーレスト
悲願達成。SFでは機会に恵まれなかったリザードマン種族の味方キャラです。機動力の低さを補って余りある破壊力を持つ御仁。
パッと見ると使えないキャラに見えるのですが、それを深く反省させるほど必殺技のハンマースイング強烈。圧倒的な攻撃力で周囲の敵を蹴散らす有用性で、こいつに合わせた進軍をするくらいでした。
トビカゲ
トビカゲはアームドウィングという種族ですが、黒き竜の復活で追加されたインセクターのズイカを思い出します。
必殺技の無双手裏剣の有用性が異常で、最後の方は面倒になって、コイツとスティンガーばっか使ってました。宿敵のラセツが、かなり凝られた設定のため印象的です。
ロイス・ヘッグマイヤー
敵の4提督の娘で解放軍に参戦するというRPGではよく見受けられる王道ちゃん。バリオスは味方だけど、SFキャラならメイがピッタリですね。最終的には、スタメンから外れたけど、必殺技のフリントライヤーがそれなりに役立ったような。
クリストファー・ティグット
幻想水滸伝から友情出演のマクシミリアン(笑)。記憶を失った老騎士って、まんまやん。この設定が個人的にツボで、それほど目立つ存在ではないものの、積極的に利用してました。
メラネウス
SRPGにおいて優位性の高い飛行ユニットなので、もちろん使いました。同じような役割のジェダ、ティータが息切れする中、後半もしっかりと活躍してくれました。見た目はバードバトラーっぽいけど、魔法生物ということで、ドミンゴなのか?
スティンガー
メイオウ攻撃を持つゼオライマーも真っ青のMAP兵器を備える。アサルトキャノン改めタイホウを武器にする武器商人で、もうライル(SF)しか思い浮かびません。
必殺技のボルトファニングの殲滅力が半端ではなく、高レベルになると、2発ぶっ放せるので、トビカゲとスティンガーで大体の敵は壊滅状態に。とにかくボルトファニングの爽快感が癖になります。
コノリー・ラフレシア
カオスな主人公にも辛抱強く懐いてくれる謎の少女。本作では必殺技の陰に隠れて魔法ユニットがあまり役立たないので、戦力としてはあまり期待できないものの、絶対に戦闘不能にならない珍しいキャラ。そんな意味ではSF2のピーター君か?
ジニー・ロックウェル
グラフィックが素敵で見た瞬間ひとめぼれ。しかし、典型的なロウユニットのため、仲間にならず…。どこかの洗濯野郎を彷彿とさせる大器晩成ちゃんらしく、ぜひ育ててみたかった。騎士という設定も、名家の箱入り娘という設定も、アーサーしかいませんね。
リョウカン
SFのゴングのようなキャラで、マックスの親友ロウとは違い、単なるエロ坊主ではありません。専用武器に依存される傾向があるものの、その武器が非常に強いので、最前線に行って間接攻撃(3マス)を放てる超有用キャラ。
後半、防御も完璧になるアインなどと一緒に前線に行き、アインのHPが適度に減ったところで、ヒールでの回復も可能と非の打ちどころがない。なぜ、この人だけ専用武器があるんだろう?しかも普通に売ってる。
ソニア・ブルームーン
魔女といういかにも強そうな設定なのですが、大抵この手のキャラはSRPGでは弱い傾向があり、案の定といったところ。
そもそもフェーダでは、属性概念の導入によって、魔法が冷遇される傾向があるので、単一属性しか持たない魔法ユニットは基本的に役立たず。パッと見はミシェエラ姉さんで、イケイケな感じはラングリッサーのイメルダさんか?
フライデー(没キャラ)
これはデータ上にのみ存在するキャラなのですが、フライデーという名前かつ種族がサッキュバス。もう完全にランドストーカーのフライデーを意識してますよね。エケエケの実でも食べさせてくれるのかな?バグ技なんかで、出せると面白いですよね。
意外に名作 フェーダの音楽集
フェーダのサウンドは、「えのもとひでこ」さんという方が担当したようですが、個人的にBGMの評価はかなり高いです。戦闘パートで採用されるものは、基本的にBGM感を最大限に突き詰めたものが多く、聴けば聴くほどに良さがにじみ出てきます。ゲーム音楽が趣味の私にとっては、かなりヘビーローテしてる音楽でもあります。
カウンターアタッカー
バトル用BGMで、やや正当系のバトル寄り音楽ではありますが、繰り返し聴くことで、どんどん引き込まれていきます。個人的なイメージとしては、連日連夜の激戦に明け暮れる第三独立遊撃部隊が、淡々と攻勢に転じる様子が思い浮かびます。
LOOP!
これ本当に好きです。フェーダの曲で一番のお気に入りで、これほどまでにBGM感を研ぎ澄ませた曲は、なかなかありません。ロマサガ3のトレードバトルやごきんじょ冒険隊のボス戦1に匹敵します。
バトルBGMのひとつで、まさに戦いのLOOPである第三独立遊撃部隊を体現している曲かと思います。フェーダのバトル系の曲は、カウンターアタッカーもそうですが、淡々と曲が進んでいくのが良いんですよね。限られた音域で、最大限に魅せようとしているというか。
CHOP!
これも好きです。LOOPと同じようなイメージで、表現された曲で、LOOP違う部分はイントロで敵との邂逅を表現している点でしょうか?イントロのメリハリが素晴らしく、それでいてそこからのBGM感も素晴らしい。バトル系の曲では、この3つが突出していますね。
FAR EAST HURRICANE
トビカゲの宿敵であるラセツ戦の専用BGMです。この曲にはかなり驚かされて、まさかこの手のゲームで、ここまで完成された和系の音楽に出会えるとは思いませんでした。ゴエモンサウンドとは、また違った方向性で、和を表現しています。
サントラは通しで聴ける
いくつか印象に残った曲を挙げました、基本的にどの音楽も良いので、サントラが発売されているかどうかはわかりませんが、通しで聴けるサウンドの総合力の高い作品だと思います。
気になるリメイクの声優陣
フェーダは、後にセガサターンにプラットフォームを移してリメイクされています。未プレイなのですが、キャラクターボイスも追加されたようで、少し声優陣が気になったので
アイン・マクドガル(郷里大輔)
主人公のブライアンを差し置いて、相棒に超有名声優が!!ドラゴンボールフリークの方なら、ミスターサタンと牛魔王で、すぐに理解されるはず。ただ、アインに郷里大輔って、どんな感じになるんだろう?個人的にはイメージできませんね。
ドーラ・システィール(三田ゆう子)
あまりピンと来ない声優さんですが、唯一ピンときたのが、ドラゴンクエスト アベル伝説のデイジィ。ドーラもデイジィも男勝りな性格なので、ピッタリじゃないでしょうか。あと、ドラゴンボールファンなら女サイヤ人のセリパもピンと来るはずです。
トビカゲ(堀川亮)
1番驚きました!!ベジータ様です。しかも、なぜトビカゲ?プレイが1年くらい前なので定かではありませんが、この人そんなに喋りましたっけ?エネルギー弾かの如く、手裏剣を乱発する無双手裏剣の台詞が聴きたい。なんなんだ、このドラゴンボールファンに至れり尽くせりな布陣は!!
シシマル(銀河万丈)
ジニーが良かったぁ~。でお馴染みのシシマルさんですが、銀河万丈さんということで非常に豪華です。最近知ったばかりのイースのナレーターかつギレン・ザビですね。キャラクターは豪放磊落な感じなので、この人だとシブすぎるような?
フレイア・ダークウッド(鶴ひろみ)
四提督の紅一点フレイアさんですが、ブルマです。そつがねぇ~。というか、ブルマの声優さん亡くなってしまわれたんですね。最近は、偉大な声優さんがどんどん減って、非常に残念です。若手は、全く育ってないようだし…。
タスク・ブレストレート(緑川光)
SF2でいうところのオッドアイ君ですね。(笑)タスクにこの声優は本当にピッタリだと思います。ヒイロ・ユイ、マサキ・アンドー、人造人間16号「デュアー(笑)」、リオン・マグナス、フリオニール、マルスとゲーム好きにはたまらない声優さんですね。
現代に蔓延するイケボ系ボイスの走りのような印象。案の定、最近も重宝されているようです。ぜひ、若手に声優の技術を伝授してあげてほしい。
フェーダの総評
ストーリーは、元帝国の人間が解放軍に参加して、帝国の圧政から人々を解放するという王道中の王道です。物語に関しては、特に評価する部分もないかと思います。個人的には、玉木美孝さんが描いたキャラが、劇中で活き活きと動き回るのが良かったです。
しかし、残念なのがリブラ値で、これがもう少し違ったかたちで登場していたら、もう2回は遊べた。マイナー作品の割には、SRPGとしての総合力も高く、サウンドが大健闘してくれたのも印象深いですね。
フェーダ2やリメイクは、まだ未プレイなので、そのうち気が向いたらプレイしてみたいと思わせるシリーズでした。
リブラ値は必要ありません!!