聖剣伝説2。あの名作が発売から20年以上の時を経て戻ってきました!!基本的にコンシューマーゲームをリアルタイムで追いかけることがなくなった私ですが、この聖剣伝説2のリメイクは、かなり気になっています。
この作品が、単なるリメイクならば、名作クラッシャーとして悪名高いスクウェア・エニックスなので、さほど気にすることもなかったでしょう。
しかし、本リメイクは、「音」を重視したリメイクのようで、発売前に一人で色々と盛り上がってしまいましたので、記事にしてみようと思います。
聖剣伝説2についてのおさらい
まずは、本リメイクを語る前に、1993年に発売されたSFC版の聖剣伝説についておさらいしてみましょう。私は、この作品をリアルタイムでプレイしており、小学校低学年でした。
この時代のRPGといえば、同社が発売したFF、そしてエニックスのドラクエ。これは語るまでもないでしょう。後のゲーム業界に長く君臨する2大タイトルが、今まさに絶頂期をむかえようとしていた時期です。
子供ながら感じた衝撃
プレイ当時が小学生だったので、その時の感想を中心に書いていきますが、子供ながらに衝撃的だったのが、本作の完成されたシームレスバトルです。
聖剣2では、これをモーションバトルと呼ぶようですが、フィールドと戦闘画面の境なく、次々と滑らかに戦闘を繰り返すゲームに斬新さを覚えましたね。
というのも、私はゲームの嗜好に関しては、割と硬派な(笑)タイプだったので、RPGは、FF、ドラクエ、シャイニングフォースなどの王道系のタイトルしかプレイしたことがなかったんです。これも当時の印象に拍車をかけたんでしょうね。
私のように、「RPGって普通、フィールドと戦闘画面がわかれてるものでしょっ」というプレーヤーは多かったんじゃないですかね。
シームレスバトルそのものは、過去作品にもあったかと思いますが、やはりSFCのグラフィックを本格的に発揮させた状態なので、インパクトが違いました。
1991年に発売されたゼルダのトライフォースなんかと比べると一目瞭然ですよね。まぁ、黎明期と黄金期なんで、使える技術も違ったのだと思いますが。
踏み込む勇気を垣間見たリングコマンド
私が聖剣伝説2のシステムで一番好きなのが、このリングコマンドです。次作以降にも受け継がれていく伝統的なシステムなのですが、2と3のリングコマンドを使ってみると、やはり2のが一番好きですね。
この聖剣2のリングコマンドなのですが、おそらく初見プレーヤーのほとんどは、使いにくいと思ったことでしょう。私もその一人で、その理由が一歩踏み込んでいるからです。
聖剣伝説2は、かなり直感的な操作を重視した作品かと思われますが、そのようなゲームにおいては、奥行きを求めて、直観的操作から一歩踏み込み、あえて少しわかりにくくする選択は、非常に勇気のいる行為だと思います。
その結果がプレーヤーの「終わってみるとしっくりくる」で、ある程度慣れてくると、違和感なく操作できているのです。当時は、そんなこと思いませんでしたが、あらためて考えると、かなり練られたシステムだと感じます。
リングコマンドには多くの操作が集約されていて、ポポイとプリムを着せ替えしてみたり、コンフィグを設定したりしながら、何か新鮮さを感じ取っていましたねそれと、リングコマンドを操作する時の効果音がイチイチ良いんですよね。
世間での人気
発売当時は小学生だったので、あくまでも狭い世間での評価になりますが、爆発的な人気を誇ったといえるレベルだと思います。この当時の私は、自宅にSFCを持っていなかったので、専ら友達宅でプレイしてました。
私が友人宅でゲームをプレイする場合、大口のプレイ先(笑)が2社ほどありまして、そのうち1社は、意外なことに聖剣を持ってませんでした。
父親が大のゲーム好きという家庭だったのですが、そのパパは、FF・ドラクエのガチプレーヤーだったので、聖剣には食指が動かなかったのかもしれません。
そして、もう一方の友人が聖剣伝説2にハマりにハマってまして、私もその影響をモロに受けたのでした。しかし、基本は2人プレイなので、私はプリムかポポイしか使えず、歯がゆい思いをしてましたね。ただ、結局SFC購入後にその友人にソフトを借りて、通しプレーをしたんですけどね。
小学校4年生くらいまでの私は、とにかく色んな子の家にお邪魔するのが好きで、1学年100人超えの学校でしたが、そのうち半分以上は制覇(笑)したんじゃないかと思います。
理由のほとんどは「ゲームをやりたいから」でしたからね。確か、登校拒否の子の家まで行ってゲームをして、その子の親に感謝された記憶もあるような。
そんなアタシ界隈で、一斉に聖剣伝説2をプレイしている友達が増えたので、ミリオンヒットを肌で感じた数少ないゲームソフトのひとつだと思いますね。
余談・ドラゴンボールZ 超武闘伝
聖剣伝説2をミリオンヒットを肌で感じたゲームソフトなどと評しましたが、もうひとつ印象的なソフトがあります。それが、超武闘伝で、これも流行りに流行りましたよね。
詳細に覚えているわけではないのですが、時系列的には、超武闘伝が93年の3月、聖剣伝説2が93年の8月なので、ドラゴンボールからスクウェア色にガラッと変わったイメージでしょうか。
このゲームも遊びに行ったほとんどのお宅にあって、海の近くの家に住んでいた同級生のお兄ちゃんに、「俺、かめはめ波5回連続で出せるぜっ!!」的な自慢を不意にされて、子供ながらに「凄い」とお世辞を言ったのが、妙に印象的なんですよね~。
普段、滅多に話かけてこない、3つ上の上級生だったので、余計に覚えているんでしょうね。
聖剣伝説2リメイクの注目ポイント
さて、少々昔話に花が咲きすぎたところで、本題に入りたいと思います。
楽曲アレンジ
個人的に、この楽曲アレンジに、聖剣伝説2リメイクの価値は集約されているといっても過言ではない。
本作をリメイクをする上で、非常に重要なポイントで、「音」で勝負するというコンセプトな手前、ここで外した場合、間違いなくファンの評価はガタ落ちでしょう。
そして、ゲーム音楽フリークの私が最も注文する部分でもあって、聖剣伝説2は、スクウェアファンの中でも、音楽という意味で特別な存在だと思っています。
後にFF6、クロノトリガーが発売され、やや影が薄くなってしまった感は否めませんが、93年当時においては、サウンドの総合力が最も高い作品だったといってもよいくらいで、現在でもスクウェア音楽史の最高峰として、語り継がれています。
小説から逆輸入したハイセンスなタイトルに割り当てられた音源は、どれも素晴らしく、ハズレ曲は存在しません。
呪術師をどうアレンジするか?
思い入れのある曲も多い本作ですが、そんな中で特に気になっているのがVSダークリッチで流れる「呪術師」。インパクトという意味では、他を圧倒する名曲で、いにしえの魔導師の恐怖や不思議を表現した、とっても奇抜な曲です。
この曲をどうアレンジしてくるのかを考えただけで、本当にワクワクしてきて、ひとつの評価ポイントになるのは間違いないでしょう。
子午線の祀り
名前のおさまりの良さと語感が素晴らしいハイセンスなタイトルなんですけど、本作ナンバーワンの神曲を決めるとしたら、この曲になるでしょう。
ラストバトルのVS神獣で流れる曲で、よくよく考えてみると、ココまで完成度の高いラストバトルの曲ってあまりない気がします。
大体、RPGのバトル系の名曲は、中ボス曲だったり、通常戦闘曲に多く、ラストバトル限定ならロマサガ3のラストバトルくらいなんじゃないですかね。この曲に、匹敵するのは?これも制作陣が頭を悩ませる難しいポイントではないでしょうか。
未知への翼
個人的にかなり好きな曲です。初期のフラミー搭乗時のBGMなのですが、最終決戦直前のフラミー搭乗で流れる「予感」というBGMの関係で、異常に知名度が低い。曲の良さは、予感を圧倒する名曲なのに残念。
こんな感じなので、本作のアレンジで存在感を見せつけてほしいですね。RPGにおけるターニングポイントである飛空艇系(空移動)の乗り物を入手した瞬間のプレーヤーの弾けるような心の躍動感を上手に表現した愉快で洗練された曲です。
危機
ボス戦の音楽です。割とゆっくりと聴かせる丁寧な曲が多い本作において、序盤からハイスピードで攻めてくる曲。イントロがまさに危機を表現しているようで特徴的なんだけど、この曲をどうアレンジするかも見物ですね。
というのも、最近のゲームの曲は、イントロばかりに力を入れて、そこからの繋ぎが下手で尻すぼみな曲が多く、イントロの盛り上がりをどう維持するのかが気になりますね。
森が教えてくれたこと
ダンジョンなのに、ダンジョンとは思えない居心地の良さが異常な四季の森のBGMで、プレイした人なら記憶に残っている人も多そう。
個人的に、本作で最も好きなレベル上げスポットが四季の森で、本当にこのBGMを聴きながらのレベル上げは癒されます。アレンジによって、もうひと伸びがあれば、神曲化も十分にありそうなので、結構、期待してます。
不安感が拭いきれない昨今のゲームサウンド制作事情
あの神話的名曲のビッグブリッヂの死闘が!!
このように名曲揃いの作品なのですが、それだけに不安感は拭えません。これまでのスクウェア・エニックスの歩みを確認してみると、音源リメイクにおいて過去に何度か大きな失敗をしています。
最も衝撃的だったのがFF5の「ビックブリッヂの死闘」ですね。この曲は、本当に伝説的な曲で、神曲揃いのスクウェア音楽史の中で、トップといっても過言ではないくらいの名曲です。
それを、忘れもしないFF12…。どうアレンジしたらこうなるの???という感じの駄アレンジで、イントロで音を潰してしまったのが致命的でしたね。これではどうしようもありません。
いうなれば、最もやってはいけないアレンジをやってますからね。さらに、後半は割と原曲を踏襲した内容になっていますが、逆にそれが中途半端さを際立たせる結果に。
このレベルでのアレンジなら、もっと大胆にアレンジして、盛大に散って欲しかったですね。典型的な消極的失敗というやつです。ビッグブリッヂにおける入りの重要性を再認識させられた駄リメイクでした。
神話、ここに崩れたり
続いて、伊藤賢治神話ここに崩れたり、でお馴染みのミンストレルソングの「決戦サルーイン」です。個人的には、伊藤賢治神話崩壊の序曲をこの作品に感じ取っていて、まぁ、ビッグブリッヂほどではないものの、はっきりいって駄リメイクですね。
この方は、「バトル曲が苦手」と言っておられたようですが、実際にはそうではなくて、次世代機の音源を扱うのが苦手なんだと思います。皮肉なことに、パズドラのようなスマホゲームでは、近年でも割と良い曲を作ってますからね。
この人の全盛期は間違いなくロマサガ3前後ですが、この当時の曲はゲーム音楽を逸脱しない範囲で音の良さを研ぎ澄ませた曲が多かったです。
しかし、ミンストレルソングくらいになってくると、ゲーム音楽の領域を逸脱して、曲ではなく音の良さのみを追求する状況になっていて、おそらく、そのターニングポイントがPS2なんでしょうね。ゲーム音楽を追っていくと、PS2から明らかにゲームの名曲が減りました。
ちなみに、ミンストレルソングの音源は、伊藤賢治さんと関戸剛さんが共同で担当しているようですが、関戸剛さんが担当した駄リメイク作品で印象的なのがFF3のDSリメイクです。
この3作品が、個人的に衝撃的だったスクウェア作品の駄リメイク3選なのですが、作品ごとの繋がりを追ってみると、意外なところで繋がっていたりして面白かったです。
昨今のゲーム音楽に思うこと
上で、音の良さにばかり頼った曲づくりと言いましたが、この傾向は近年より顕著になっています。そして、個人的にそれをわかりやすく体現してると思う曲が星のカービィトリプルデラックスの「狂花水月」です。
製作陣が次世代機の豊富な音に遊ばれている感じが強くて、決して悪い曲ではありませんが、名曲だとは思いません。まぁ、藍染惣右介的な視点で考えると、音に遊ばれて制作陣が混乱しているということで、間違いではないのかもしれませんが(笑)。
ぶっちゃけると、ピアノの音やヴァイオリンの音をちゃんと奏でると、音が悪い訳がないんですよね。しかし、それに頼るだけでは曲とはいえないんですよね。
近年よく見受けられる音質や画質、礼賛の風潮は、コンテンツを確実に腐らせるので、どこかで子供たちには気づいてほしいと思ってるんですけどね。大人は頑固なので、今さら言っても考えを変えないでしょう。
ちょっぴり楽しみ、たくさん不安なキャラクターボイス
私が聖剣伝説2の「音」に関する部分で、もうひとつ気になっているのがキャラクターボイスです。どうやらwikiを見る限りでは、過去作品で声が既にアテられているようで、本作の声優陣も、その流れを受け継いでいるみたいですね。
それを知るまでは、本作にて抜擢されたのだと思ってました。聖剣伝説は、2、3とプレイして、レジェンドオブマナで失望して以来、触ってないんで。
しかしながら、個人的にはここにも大胆な改革が欲しかったところで、本作の声優陣には実際に作中で声を聴く前の段階から、かなり思うところがあります。
ランディ【小野賢章】
声優界には詳しくありませんが、役どころを見るに、若手有望株からベテランへの移行段階といった感じのステージでしょうか?個人的な分類は、昨今よく見受けられるイケボ系声優という感じです。
黒子のバスケ「黒子テツヤ」を聴く限りでは、ランディには合わないと思ったんですが、先程、宣伝用動画を確認して、確信に変わりました。
まず、ランディの設定と、本作のグラフィックを考えるに、少年系の役が上手い女性声優にやらせるべきでしたね。本作のチープなグラフィックも相まって、この人の声だと違和感が半端ないです。
プリム【山本希望】
この方は、他の役柄の声を聴くに、萌え系ボイスが多く、プリムには合わないと思ってたんですが、実際のプレイ動画を確認してみると、そこは技術で合わせたようで、意外にしっくりときました。
あくまでも、戦闘時の掛け声だけを聴いただけなので、なんとも言えませんが、まぁ、マイナスになるようなことはないんじゃないでしょうか。
ポポイ【加藤英美里】
水野マリコさんの引退に伴って、担当することになったのでしょうか?個人的には、この方が一番しっくりきますね。
めだかボックスの不知火半袖あたりを聴くに、それなりの仕上がりになるだろうと思ってましたが、実際にプレイ動画を確認しても、違和感はありませんでしたね。
ただし、かなり無難なチョイスですよね。完全に私の趣味の範疇になってしまいますが、ポポイには見た目にそぐわない、老婆が出すようなシブイ声質の声優が、ポポイの可愛らしい見た目に寄せて、声を出してほしかったですね。そうすると、めちゃくちゃ深みが出そうです。
25年目の真実はいかに?
このように不安と期待が入り交じったリメイクなのですが、やっぱり楽曲アレンジが一番気になりますね。声優陣を見るに、新要素のトークイベントも期待以上にはならなそうです。
ビジュアルに関しては、昨今のゲーム業界の状況を加味するに、及第点といえそうで、正直グラフィックにこれ以上を求めるのは酷でしょう。
それと、実はユーチューブを漁っていると、既にいくつかの音源が発表されていることが判明して、「出てもうてるやんっ!!」感が凄かった。「危機」、「子午線の祀り」についても動画が上がってました。
案の定、駄リメイクになってしまったようで、「危機」はFF12のビックブリッヂと同様にイントロの良さを完全に潰してしまいました。
「イントロ後の盛り上げが難しいなら、イントロの盛り上げなんてなければいいんだっ!!」的な発想ですかね(笑)。
「子午線の祀り」は、音の並びは比較的原作に忠実なものの、この曲の持ち味である緩急がなくなり、平坦な曲になってしまいましたね。特に曲調が変わるところの変化の付け方が下手すぎです。
「森が教えてくれたこと」に関しては、流石に空気を読んだのか、かなり原曲をリスペクトした内容でした。
割と散々なアレンジですが、オリジナル版の曲と切り替えられるようで、これは大正解だといえますね。リメイク力のなさを露呈した結果ではありますが、オリジナル曲が聴けるんであれば、ファンも納得するのではないでしょうか。
てか、「子午線の祀り」はプレイ前に聴かせるなよっ(爆笑)