幻想水滸伝シリーズは、ヘビーゲーマーの私が、ドラクエ、FFと共に最も愛したゲームでもあります。しかし、2006年に幻想水滸伝5が発売されて以来、時折憶測こそ飛び交うものの、正統な新作にあたる幻想水滸伝6の発売情報はありません。
御代がわりを間近に控えた昨今、平成が生んだ最も素晴らしいRPGを決める選考会にも名前を連ねるであろう幻想水滸伝をゲーマーとして今一度、総括してみる必要があるのではないでしょうか。
村山吉隆氏のコナミ退社と幻想水滸伝3
幻想水滸伝シリーズのターニングポイントになったのは、やはり村山吉隆氏のコナミ退社です。幻想水滸伝3の制作途中、志半ばでの退社となったようです。
幻想水滸伝3は、神ゲーと名高い幻想水滸伝2の後継作にあたり、時代背景も継承されています。そのため、ファンの期待値は半端ではなく、FF7に抱いた気持ちをFF8に裏切られたスクウェアファンに通じる部分もあるのではないでしょうか。
しかし、FF8、ドラクエ7、wiz6と、シリーズ中の異作と親和性の高いゲーマーでもある私にとってみれば、割とシンパシーを感じた作品でした。
ただ、ゲームの質が幻想水滸伝2と比べ、著しく落ちたのは確実です。
村山氏は幻水3のシナリオにどの程度関わってた?
この部分の情報は不鮮明なものも多く、幻想水滸伝3に賛否両論が巻き起こったのが、村山氏の退社によるものなのか、構想段階での失敗なのかは、わかりません。
しかしながら、幻水1のトラン共和国、幻水2のデュナン国と地理的にも比較的近いグラスランドという地が舞台の物語において、前作の15年後という時代設定がそもそも間違いだったのでは?という気がしなくもありません。
幻想水滸伝3の構想段階で、村山氏の胸中に退社の二文字があったかは知りませんが、幻水2~幻水3の間の空白期間は、満を持して登場という、商業的な意図があったともとらえられます。
だって、幻水ファンにとってみれば、その空白期間にあたるハイイースト動乱を描く=有無を言わさず買い。という伝家の宝刀にあたると思います。
そのため、各地方に物語を飛び火させながら、可能性を広げていく段階にあったのが、2002年くらいの幻水シリーズだったのかもしれませんね。
結果としては急ぐべきだった
しかし、ゲームの要でもあるシナリオライターの村山氏が退社となってしまった以上、結果としては急ぐべきだったのでしょうね。
幻想水滸伝シリーズ、正統後継作としての「幻想水滸伝6」の発売は絶望的な気がしていますが、個人的には永遠に発売されないのもアリです。
昨今のゲーム業界を見るに、魅力的なゲームを作れるクリエイターもほとんどいませんし、ゲーム会社の守銭奴体質も極致に達しようとしています。
加えて、コナミに村山氏を迎え入れて新作を制作するという意欲もないようです。
そもそも、コナミという会社は、看板作品でもあるパワプロという何本出しても、大して代わり映えのしない作品を延々と出し続けた日本有数の守銭奴ゲーム会社でもあり、挙句の果ては、スマホアプリVerまで出ましたからね。
幻想水滸伝6はスマホで、みたいな寒い状況とか、普通にありそうで怖いです。「みんな、課金してくれよなっ!?」みたいな(笑)
事実、アークザラッド、ブレスオブファイアの新作は、スマホアプリとしてリリースされていますからね。この2作は、幻想水滸伝と同世代を歩んだ盟友ともいえるのではないでしょうか。
幻想水滸伝の新作はハイイースト動乱!?
制作陣最大のジレンマともいえるのがハイイースト動乱です。ハイイースト動乱というのは、シリーズでは、幻水2と幻水3の間にあたる出来事です。
幻水3の舞台となったグラスランドでの英雄戦争は太陽暦475年のようです。そして、その3年前に発生したのがハルモニア神聖国によるハイランド侵攻によって勃発したハイイースト動乱です。
ハイイースト動乱は、ファンの間でも様々な憶測が飛び交っていて、幻水2キャラと幻水3キャラの接点も多かったのでは?といわれています。
しかし、ここでも見切り発車の時代設定が足を引っ張る可能性があり、幻水3の3年前では、幻水3と大して変わらないんです。
幻想水滸伝2からのファンは、どちらかというと、オッサンになったビクトールとフリックや、あんなに可愛かったのに濃ゆい感じになってしまったトウタ君を見たかったわけではありません。
そのため、幻想水滸伝6ひいては、冠の新作として発売するなら、どう考えても幻水2から5年以内にすべきでしたね。
幻想水滸伝1と幻想水滸伝2が連作として高い評価を受けているのは、「門の紋章戦争」から3年後という、絶妙な時代設定にあったと思います。
しかも、最序盤で、前作で生死が明らかなにされなかったビクトール&フリックを登場させ、「やっぱ、お前ら生きてるよね。」と、秀逸なツカミまで演出してみせました。
ラプソディア(外伝)形式もアリ
個人的に、ハイイースト動乱は、PS2で発売されたラプソディア形式で発売するのもアリだと思っています。外伝という立ち位置だけではなく、システムもSRPGでよいです。
このラプソディアなのですが、親作品である幻想水滸伝4よりも、圧倒的に高い評価をしていて、想像以上にSRPGと幻想水滸伝の親和性の高さを魅せてくれました。
幻水3のトリニティシステムのようなリソースの無駄遣いをしてお茶を濁す新システムを開発する暇があるなら、普通にラプソディアのシステムを受け継がせて、シナリオに注力すべきですね。
ラプソディアは名作ではあるのですが、キリルの幼少期のストーリーは素晴らしかった反面、青年期は気の抜けた感じになっており、この部分だけが欠点です。
幻水の新作(外伝)でハイイースト動乱を描くなら
ネタは腐るほどあるんですよね。幻水2や幻水3のキャラを出すだけではなく、幻水4や幻水5のキャラを突発的に出すのも良いですし。
熊さん&ハンサム青鉢巻きとエッジの出会い そして、継承…
幻想水滸伝3では、エッジが「真なる夜の紋章」の化身である星辰剣を携えて登場し、ファンを絶望(笑)させました。=ビクトールは登場しないってことですからね。
そして、この継承がハイイースト動乱で行われたのではないか?との憶測が飛び交っており、継承というよりかは、厄介払い(笑)との意見も。
仮に、こんな新作があるなら、作中で1、2を争う名イベントになる可能性を秘めているので、普通に見たいですよね。ただ、幻水3のプレイは、10年以上も前なので、エッジ君がどんな青年だったかも覚えてないんですけどね。
継承といえば、ハンフリーとフッチ君も
私の記憶によれば、幻水3で成長したブライト(白竜)と共に登場したフッチ君は、ムラサメ?マサムネ?だったか、ハンフリーの大刀を受け継いでいたはずです。
その大刀の名前がハンフリー(笑)ならば、戦士の村方式で、よからぬ噂が飛び交いそうですが、そんな妄想はさておいて、百人隊長のハンフリーさんの意思をフッチが受け継ぐってイベントも良さそうですね。
というか、幻想水滸伝の武器名は侮れないです。戦士の村には最愛の人の名前を剣につけるという風習があり、フリックはオデッサ、ヒックスはテンガアールと名付けています。
更に幻水5では、マティアスが自分の武器に一緒に登場したイザベルの名前を付けています。正式に戦士の村出身という情報があったわけではありませんが。しかも、そのイザベルは、誉れ高きマクシミリアン騎士団の関係者だというし。
私は、幻水2から幻水1へとゲームをプレイした経緯があるので、幻水2でフリックが装備していたオデッサが気になっていました。そして、幻水1にオデッサが登場して、シリーズの伏線の奥深さに感動した経験があります。
初プレイで、ニナとフリックの隠しイベントなど見られるわけもなく、あまりオデッサについては語られないんですよね。
忍者組織「カゲ」
ここら辺も語られそうですね。上で言ったように、私は2→1へタイムトラベルした経緯があるので、幻水2の序盤で不穏な動きをするジョウイに語り掛けていたカゲとは、単なる「影」を指していると思ってました。
しかし、1→2をプレイしたユーザーなら、もちろん、金の亡者であり、前作の108星の一員でもあるカゲだと気づくはずです。私は、これを幻水1をプレイした時に知り、とても印象的でした。こういった副産物も、逆プレイの思わぬメリットだと思っています。
さて、幻想水滸伝3には、ワタリとアヤメというキャラが登場しました。忍者組織「カゲ」の構成員で、ハイランド王国と古くから関係のある組織のようです。おそらく、徳川家康と服部半蔵のような関係なんでしょうね。
その組織名である「カゲ」と、幻水1に登場したカゲは関係ありそうですね。そんなハイイースト動乱で、ワタリやアヤメ、そして、その他の構成員が暗躍する設定も面白そうですね。
ただし、ハイイースト動乱は、ハイランド王国の復興を目指して、ハルモニア神聖国が侵攻したために勃発したので、間違いなく敵側です。まぁ、ワタリが抜け忍になった「きっかけ」が描かれるのも面白そうですが。
炎の英雄
幻水3の失敗のひとつに、「炎の英雄」の死後の物語を作ってしまった、という点があると思います。幻水3のパッケージを飾った人物でもあるだけに、これだけの良キャラを登場させなかったのはもったいなかったと思います。
ハンター×ハンターでいうところのジン・フリークス的な立ち位置かと勝手に想像しているのですが、「炎の運び手」という義賊を率いて、ハルモニア神聖国と真正面から戦った英雄でもあります。
グラスランドでは、太陽暦422年にも幻水3の舞台である英雄戦争と似たような事象が発生しており、その時は炎の英雄が7クランをまとめ上げ、ハルモニアを押し返しています。
その際に、炎の英雄が宿していた「真なる火の紋章」が暴走し、両軍に大きな被害をもたらしたようなのですが、この暴走を目撃していたのが幻水5の正軍師であるルクレティア・メルセスです。
彼女もなかなか魅力的なキャラだったので、個人的にはかなり気になるイベントです。幻水3の段階で炎の英雄は死んでいますが、仮に生きていたとしたらハイイースト動乱がより盛り上がりそうですよね。
ストーリーの一幕に、ハルモニアの猛攻に苦戦するデュナン国を、ほんの気まぐれで助太刀する「炎の運び手」なんてものがあったら感動的です。
私が描く炎の英雄の人物像としては、使命感に燃える男というよりかは、自分の楽しい事を第一に実行するという性格の方がしっくりくるんですよね。
ハルモニアから真なる火の紋章を盗んだのも、「面白そうだったから」とかの方がかっこよくないですか?
ゼアラント王国のリンドブルム傭兵旅団
「何それっ!?厨二病心をくすぐりすぎじゃん」な傭兵旅団というワードしかり、剣王という異名しかり、幻水5で登場したリヒャルトのリンドブルム組は、ぜひ出してほしいです。
ハルモニアが金に物を言わして、大隊を雇って、デュナン国と激突するなんて場面があったら良さそう。リヒャルトとゲオルグの手合わせなんかあったら感動もんです。ゲオルグ「勝負はおあずけだっ」みたいな
ただし、この場合、地理的にムチャクチャなことになって、デュナン国と友好関係にあるトラン共和国を飛び越えてくるんで、レパントがそれを放っておくと思えませんが
そもそも、ゼアラント王国は、ファレナの西方のようですが、西なのか北西なのかによっても違うと思います。北西なら、まぁ問題なさそうですけどね。ただ、リンドブルム傭兵旅団は、世界中の国々に雇われているようなので、遠征という名目で、どこにでも出せそうな気が。
必ず来るはず!?元赤月帝国からの援軍
ハイイースト動乱には、デュナン国側で、トラン共和国が1枚噛んでそうです。その際の鉄板としては、6将軍のうち誰かを助太刀させる方法でしょうね。
みんなが望むバレリアさんやソニア・シューレンを差し置いて、カイ師匠とか、クワンダ・ロスマンが来たら、めっちゃウケる。まぁ、大方、間を取って「金将軍のカミーユ」ってとこでしょうか?
白狼軍を語る謎の少年
個人的にコレがあったら面白そうって設定です。白狼軍といえば、幻水2の舞台であるデュナン統一戦争で同盟軍を苦しめたルカ・ブライトの精鋭部隊です。
ハイランド王国解体によって、事実上、空中分解した部隊ですが、ジョウイのようにその強さに憧れた少年が、その名を語ってハイイースト動乱に参戦するって設定も面白そう。
目的は、戦争を通じて名を上げることで、あえて、デュナン国側に参戦させるのが面白いと思います。鬼灯水月の忍刀七人衆やブシドラ・アンビシャスの清凛隊などなど、割と使い古された設定ゆえに王道ではないでしょうか?
人物設定は、ランシュバイクを操るアレース的な感じです。この例え、わかんねぇ~(笑)
ユーバーとペシュメルガ
村山氏によれば、ユーバーとペシュメルガの関係は、シリーズ最終章くらいまで取っておきたかったようです。しかし、幻水3で、まさかの108星入りを果たしたユーバーさんが、確かキングクリムゾンとかいう剣を持っていました。
ユーバーが元から二刀流だったかどうかは知りませんが、幻水3ではキングクリムゾンを持っていたことから、幻水2のペシュメルガの武器を奪った?のではという噂もあります。
個人的にこの噂にはしっくりときてて、これは制作陣のユーバーとペシュメルの物語はこれで完結というメッセージであり、暗に匙を投げているのではないかとも思っています。
村山氏の抜けた制作陣からすれば、この2人は目の上のたん瘤であり、早々に摘んでおきたい芽なのかもしれません。個人的には、ユーバーの設定については、そこまで固まっていない状態で、村山氏が抜け、残された人たちが方向転換をしたのでは?と邪推してます。
そう考えると、ルシアの天威星でのダメ押しも理解できるんですよね。まぁ、単純に原作の水滸伝に合わせたかったという意見もあるようですが。
それにしても、天威星に陣取るルシアを見た時は、本当に絶望しました。しかも、ルシアにはもっとクールでいてほしかったのに。まぁ、母強し…ということですね。
敵役を誰にするのか?
これはかなり難しそうです。まず、ハイイースト動乱は、地理的にデュナン国とハルモニア神聖国の国境紛争が妥当です。ハルモニア神聖国は、各地に辺境領を持つほど広大な国土なので、十中八九、辺境守備隊が主力でしょう。
その辺境守備隊に、神官将が数名が派遣されるという感じではないでしょうか。その国土ゆえに、鈍足で、またしても本体は拝めなさそうです。
ヒクサクが戦いに参戦することもなさそうですが、だからこそ敵役の設定は難しい。まさに、グラスランドとこのような形での紛争状態になった幻水3では、神官将であるササライが軍を率いる場面がありました。
あのルックスと、大きな帽子で将を演じられても、イマイチ、真剣味がないというか、しまりがないんですよね。
ルカ・ブライト以来、敵役欠乏症の幻想水滸伝
幻水3のルックは、少し主旨が違うので別としても、ラプソディアのマルティン、幻水5のキルデリクやゴドウィン家と、幻水2以降は、敵役がショボい。
幻想水滸伝に魅力的な敵役を求めてしまうのは、やっぱりルカ・ブライトの存在が大きいですよね。最も印象に残った敵役を挙げてください。と聞かれれば、ノンタイムでルカ・ブライトを挙げます。
ほんと、敵役としては100点満点で、清々しいまでに悪でしたよね。個人的には、フリーザか、ルカか、ってくらい好きな敵役です。
この人があまりにも偉大過ぎるんで、どうしても敵役のハードルが上がっちゃうんですね。強いて挙げるとすれば、幻水4の海神の申し子トロイさんくらいです。明確な死亡フラグは立ってないと思いますので、彼もいつか登場させてほしいですよね。
帝国6将軍はもちろんですが、アイン・ジード、キバ将軍、ハーン・カニンガムなど初期作品には、良い敵役が揃っていたんですけどね~。個人的には、王国軍相手に歴史的大勝を演出してくれた愚将ソロン・ジーも結構好きです。
幻想水滸伝5で残された課題
幻想水滸伝シリーズの黒歴史でもある幻水4に比べ、かなり持ち直したと評価される幻水5ですが、私も全く同意見です。
どちらかといえば、システム面で初期シリーズを重んじた点が高評価で、戦闘画面で入れ代わり立ち代わり攻撃する仲間たちに興奮を覚えたものです。
ただし、ストーリー的には課題はかなり残っていると思っていて、本作は、ファレナ女王国の王室の内輪揉めや因縁が激化する感じの物語です。
プレイを終えてみた感想としては、結局、内輪揉めから脱却しきれなかったな、というもので、このテーマの場合では、いずれかの段階で、テーマの飛躍が必要だったはずです。
まぁ、そもそも王子が主人公という時点で、ストーリーの構成は難しいですよね。ドラクエのように魔王を倒すファンタジーの世界ならば、それで良いのですが、割とリアル志向な幻水においては、足枷になりました。
結局、終始ファレナ女王国の内輪揉めで終わった感じで、それに振り回された人々は、何だったんだ?という感じでした。ゲオルグ・プライムやルクレティアのような色々な意味でお強い御方にとってみれば、人生の良い思い出なんでしょうけどね。
そりゃあ、三国志のような大戦と国の内乱を比べると、三国志の方に圧倒的に分があるのは当然ですよね。なんか、教師がテーマゆえに凡作で終わった「暗殺教室」を思い出します。あの漫画は、ふり幅という意味で、魔人探偵に最初から負けているんですね。
さらに、女王騎士団長であり、主人公の父親でもあるフェリド、ファレナ女王国の女王であるアルシュタートが、普通に良い人キャラなのも痛いですね。
竜洞騎士団に感じた重厚感はどこへやら
幻水5には、フェイタス竜馬騎兵団という、竜と馬の亜種のような生物と人との混成軍団があります。いったら、幻水1の竜洞騎士団です。
ただ、竜洞騎士団に比べると、軽すぎるんですよね。竜洞騎士団の物語は、かなりシリアスなのですが、荘厳な竜騎士の掟、血塗られた歴史などなど、重いテーマながらも重厚感のある内容です。
また、フッチが黒竜蘭をグレッグミンスターに取りに行った際には、バルバロッサ・ルーグナーに見つかるものの、見逃してもらうみたいな、奥深いイベントもありました。
そんな竜洞騎士団関連の物語に比べると、フェイタス竜馬騎兵団はイマイチ入り込めなかった記憶がありました。それに、竜の紋章を持つヨシュア・レーベンハイトのように存在感の大きなキャラがいないってのも大きかったんだと思います。
強いて、良かった点を挙げるとすれば、幻水3でエステラさんが言っていた、女人禁制のゴルディアスが実在したことがわかった点ですね。彼女は嘘ばかりではなく、虚実織り交ぜる性格のようです。
わかりやすい敵対構造で良かったのでは?
王室関連の内輪揉めをグチグチ続けるよりは、ハイランドVSジョウストン都市同盟や赤月帝国VS解放軍といった、明確な対立構造のがゲームとしては正解だったと思います。
一部の煩いのを除いて、大多数のファンは、そういったわかりやすいのを求めてると思いますね。その一部の煩いのが私って可能性も…(笑)
ファレナ女王国に敵対する明確な巨大勢力があれば、主人公が王子であっても、帝国六将軍のテオ・マクドールの息子が解放軍に参加したような演出も可能だったのではないでしょうか。
なんか、アーメス新王国やらナガール教主国やら、敵対勢力が散らかりすぎてましたよね。本来、幻水5のストーリーなら、二部構成にすべきなのでは?とも思いました。
まだ見ぬ敵対勢力の存在を匂わせつつ王国統一を第一部で、強大な敵対勢力との戦いを第二部で、なんて構成なら面白かったのではないでしょうか。
キャラクターはかなり魅力的だった
ストーリーはイマイチでしたが、キャラは魅力的なんですよ、このゲーム。先に挙げた、リンドブルムのリヒャルトもそうですし、個人的にハマりキャラだったのがラフトフリートの鬼姫ラージャです。
ボイスが玄海師範の声でして、もう、ハマりすぎやろ感が凄かった。あと、エターニアのシゼルみたいな感じで、伊倉一恵さんが担当しても痺れるだろうなぁ。進んで極光の洗礼を受けたくなります(笑)
それだけに、かつての部下であるバフラム・ルーガー水軍提督のキャラ設定は残念でした。キャラが立ちまくってるラージャに対して、バフラムはないっすよ…。ここら辺も、敵役欠乏症なんですよね。
他にも、レックナートや星辰剣との関係が気になるゼラセや中二病心を十二分にくすぐった魔弾の射手キャザリー、獣の紋章の眷属持ちのエルンストなどなど、とにかく気になるキャラが多かったですね。
エルンストなんかは、自らの呪いの研究(獣の紋章)で、ハイイースト動乱に参加させてしまっても良かったくらいですね。まぁ、本作ではまだ若いようでしたし。意外や意外ボブとの接点があったりしそうです。
しかし、ナガール教主国の上級聖職者のエレシュだったりと、またしても伏線をばらまきすぎです。あと、幽世の門のオボロとか、完全、浦原喜助やん感が凄かった。ぜひ、四楓院夜一的なキャラも出してほしかったです。
最後に…
以前なにかのイベントで村山氏がインタビューの答えていたのですが、
「私たちはゲームメーカーに対して忘れさせちゃいけないんですよ。真剣に情熱的にゲームを愛している人がいるということを」
この言葉をゲームで飯を食ってる人間の口を無理やりこじ開けて、ねじ込んでやりたいですね(笑)
『クリエイター。良い作品を作れないなら。NEET以下』という私の国に伝わる格言があります。NEETは行動しない分、影響力も少ないですが、クリエイターは駄作を通じて、悪辣な感性をユーザーに植え込むので、より深刻です。
まぁ、簡単に例えると、ユーチューバーなる者の跋扈によって、エンターテイメントの業界の質が著しく下がるのと一緒ですね。この影響は、これからが本当に怖いんです。まだまだ、序の口。
私の嫌いな言葉に「人に迷惑をかけない分には何をやっても良い」というものがあります。人への迷惑なんて、自分のどの行動が影響しているのかわからないものです。
ユーチューバーがつまらない動画を連発して、エンターテイメント業界の質を下げる。これは悪質であり、迷惑ではないのか?少なくとも、私には迷惑をかけてますね。