異世界でも無難に生きたい症候群 安泰 笹峰コウ 1巻 感想 評価 漫画口コミレビュー

異世界でも無難に生きたい症候群(1巻)の漫画口コミレビューや感想と評価。業界を賑わす異世界モノ初挑戦となりました。

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異世界モノ漫画に初挑戦

私は、主に少年ジャンプ系の漫画を中心に読むのですが、漫画を検索する際に、「異世界」の文字が目立つようになってきました。

ゆとり世代を体現したような頭の悪そうなタイトル(笑)に少しイラっとしていたのですが、転生モノや異世界モノは、昨今の漫画業界では、大変な話題らしい、という事で試しに読んでみました。

テーマや絵にピンと来るような漫画は異世界モノには、ほとんどなさそうなので、私のRPGのプレイ方針と相性の良さそうなタイトルの作品かつそれほど巻数が出ていない、という条件で探してみました。

レベル上げ大好きの安牌勇者?

「異世界でも無難に生きたい症候群」というタイトルから、最初はレベル上げをこよなく愛する勇者が、無駄にレベル上げをしながら、ゲームを無双攻略するようなイメージの作品なのかと思っていました。

しかし、読み進めてみると、全く私が想像していた漫画とは違いました。もちろん、原作も読んでいません。

ちなみに、ラストエリクサー症候群を題材にした異世界モノってあるんでしょうか?めっちゃ共感できそうだし、かなり語れそう(笑)。探せばありそうですよね。

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「異世界でも無難に生きたい症候群(1巻)」の評価

ツカミには失敗している?

「…はい、そんなわけで、異世界に来ました」。ノリかるっ!?

物語冒頭からフールジャパン特有の寒い台詞回しが見受けられ、いきなりページを読み進める気力が失せそうになりました。(笑)

第1巻という事で、2つのツカミが考えられると思います。ひとつ目が物語の始まりのツカミ、ふたつ目が1巻全体のツカミ。

後々、語っていきますが、この漫画は後者には成功しているのですが、前者は完全に失敗していますね。

気になったのが、異世界に降り立って、初めての街に着いたシーンで、もう少し、主人公の胸の高鳴りみたいなものを表現するコマ数が多くても良い気がします。

上手い漫画家さんなら、このシーンで読者に共感を覚えさせ、ドキドキさせてくれますからね。

まぁ、主人公の感度の鈍い性格を際立たせるため、あえて、この程度に留めておいたとも考えられますが。

ただ、考え方によっては、「鈍感な俺でも、こんなに感動できる事が残っていた」みたいなイメージで、胸の高鳴りを表現する方法もあったと思うんですけどね。

バトルシーンは可もなく不可もなく

おそらく、バトルに主眼を置いた作品ではないと思うのですが、バトルシーンは至って平凡ですね。

絵は嫌いではない

驚くほど上手い絵というわけではありませんが、絵のタッチは結構好きです。特に、主人公が悪い顔をする時の絵は良いですね。

平凡で非凡な主人公

主人公が「平凡(無難)」を発揮する辺りから面白くなっていきます。大体、中盤辺りからです。

「平凡でいるためには非凡を極める事だ」みたいな主人公独特の解釈が面白くて、私の「一人が好きなら適度にコミュニケーションをして他人との適度な距離感を保つ」の持論とも似ていて、共感できます。

また、割と理論派主人公なんですが、その割に読者にわかりやすいです。私は、漫画を読む時は、そこまで頭を働かせず読むタイプなので、ハンター×ハンターとか、ジョジョなんかは、完全に理解しない状態で読み進めていく事が多いです。

そんな私でも初見で内容をしっかりと理解できているので、流石は原作が小説という感じでしょうか。

さらに、第1巻の着地点である「理解(悪意への共感)」までの話の運び方も上手いと思いました。

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「異世界でも無難に生きたい症候群(1巻)」の感想と口コミレビュー

異世界モノへの初挑戦という事で、ぶっちゃけ、酷評レビューをしたくて読んでみた感はあります(笑)

しかし、意外や意外、普通に面白かったです。序盤は、ゆとり特有の寒い台詞回しにやられそうにはなりましたが、中盤から後半は、しっかりと漫画に入り込めました。

1巻が終わった段階で、まだまだ余力がありそうな感じなので、2巻、3巻くらいまでは楽しめるんじゃないでしょうか?

ただ、主人公の頭脳とイリアスの戦闘力の両立を目指すのか、あくまでも主人公の頭脳がメインなのかは、気になりますね。

「死霊術」なんて単語が出てきましたが、ナルトの「穢土転生」のような感じで、術や魔法解説なんかは好きな人間なんで、今後もこういったシーンはちょくちょく入れて欲しいですね。

あと、せっかくタイムトラベルがテーマなので、異世界と現実世界の対比みたいな演出がもう少しあったら、もっと魅力的になるんじゃないでしょうか?

まぁ、それは2巻以降でおいおい出てくる事かと思いますが、主人公の無難な生き方が、異世界でこんな風に役立ったみたいな演出をもっと見てみたいです。

タイムトラベル系の作品では、異なる世界とのリンクや交錯点が読者の心をくすぐる常套手段だと思います。

こんな感じで異世界モノ初挑戦となりましたが、正直、この手の漫画の主眼やノリがイマイチわかっていないので、ある程度、他の作品も読んでいくと、イメージが変わってくるかもしれません。

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